ニューヨークの裏社会を仕切るキングズリー・エッジが所有する高級クラブで、水の中を優雅に人魚の様に泳ぐ、美しい女性ジーニア。ジーニアを始め、マーメイドと言われる女性達は、キングズリーにより生活を保障され、裕福な生活を送っていた。しかしその条件として、彼女らは処女でなければならない。クラブに訪れる客に処女を捧げたもの、新たな人生を歩むために処女を捨てるもの、そんな中、ジーニアも運命の相手デレクに出会ってしまった。
著:Tiffany Reisz (訳 藤峰みちか)
Tiffany ReiszのThe Original Sinners シリーズ、スピンオフ版(シリーズの詳細はこちら)。あらすじを読んだ時は、本物の人魚と人間の恋愛ファンタジー?と勘違いしていたが、ジーニア普通に人間でした(笑)。まぁThe Original Sinners シリーズ自体がバリバリ現代が舞台なので、この本だけファンタジーなのは、良く考えてみたら確かに違和感あるわな。
キングズリーは、その昔日本を訪れた際に、芸者に感銘を受け、優雅で上品で、男性を魅了するが決して近づく事の出来ない、そんな謎めいた女性達を遠目から楽しむクラブを作ろうと考えます。そして彼はファゾムズを作りました。大きなガラス張りのプールに、銀の鱗のタツゥーを足に入れた、美しい女性達。首には、ファゾムズのマーメイドの証である、ネックレスを下げています。
ジーニアはとデレク、一目ぼれのようにイッキに燃え上げるのですが、実際に彼女が処女を無くすのは、出会ってから1年後となります。それはつまりジーニアはファゾムズを去る日。
ストーリーに関しては、正直あまり感想なし。2人が出会って、恋して、結ばれてと、そのままハーレクイーン超王道ストーリー。
少し違和感があったのは、キングズリーのキャラ。確かに彼は、ニューヨークの裏社会の帝王と言われるほど富と権力を持っていますが、The Original Sinners シリーズでは荒々しながらもユーモアも持ち合わせています。しかしこの本では、強面のガチガチの夜のドンとして書かれて、別人のように感じました。
ガチガチのハード担当は、ソルンで、その逆のキャラがキングズリーなのにな。日本語に訳すと固くなるのか、最初からTiffany Reiszがそういうキャラ設定にしたのかは不明。
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