ヘレナはウィンターヘヴン伯爵家の子供達の家庭教師を務めている傍ら、家族の生活を守るために、ウィンターヘヴン伯爵夫人の兄、グレイブルック公爵の隠された秘密を探ると言う顔も隠し持っていた。ある日、グレイブルック公爵の目に留まったヘレナは、彼から「自分の愛人にならないかと」、申し出を受ける。彼に近くづく事でより彼の秘密を探れる絶好の機会と思ったヘレナは彼の申し出を受けることにした。
著:Sharon Page (訳 長瀬 美紀)
ただ今、Black Dagger Brotherhoodシリーズの6部を読書中のWet Rush。ちょっと気晴らしにと、この本を読んでみた。
う~ん、読んだ本のレビューを書くとき、不評はあまり書きたくないのよ。作家はもとより、翻訳家も、出版社も本気で取り組んで出版した本だと思うから、その思いも汲み取っても悪い事はなるべく書きたくない。でもさぁ・・・この本、不評しか出でこんは。
ヒロインのヘレナが、まぁ、理屈っぽいこと。ヒーローは惚れた弱みか、ヘレナを褒めまくってるんだけど、まったく納得できない。
ヘレナは、グレイの秘密を探るという企みがありながらも、彼に惚れてしまうのだが、企みは、絶対にグレイに言わない。認めない。嘘までついてごまかす。まぁねぇ、惚れちゃったけど、最初は企みがあって、彼にそれがバレたらどうしよう。という不安を抱える心理は、分かるけど、ストーリーが終盤ともなれば、グレイに嘘を付き続ける理由もまったくない中、それでもしらばっくれ。
彼に本当の事を言えない心理を延々をストーリーの中で説明しているのだが、理屈っぽすぎて、読んでてかなりシラケた。
それ以外でも、「この女は何がしたいんじゃ?」と、あきれる程の行動と思いの不一致に、斜め読みして、支払った本の値段に思いとどまって、苦痛ながらもページを戻り、なんとか完読といった感じ。
エロはBDSMで回数的には多いのだが、完全なる紙芝居。
J.R. Ward、Mia Sheridan、Sylvia Dayのような、ドクっと脈打ち、胸がギューとなる、エロシーンが書けないなら、いっその事エロシーンなんて無い方がましだわ。
後ねぇ・・・
ヒーローの名前、グレイブルック (通常:グレイ)オイオイ、フィティ―意識してる? 目の色に関する事をタイトルにするあたりも、フィティ―感プンプン。
しかも、原書のタイトル、Deeply in You。○○ xx Youは、Crossfireシリーズじゃないかい。いっその事、ヒロインとヒーローの名前、エヴァとギデオンにしたら・・・と思ってしまった。
最後に、ベルベット文庫は何でこの本、翻訳に踏み切ったのかね?
調べてみた所、原書は、2014年1月に出版された本で、1年後にこの翻訳が出版されたという事は、原書が新刊の内に比較的直ぐに、翻訳に踏み切ったという事が想像できる。でも、この本じゃなくてもよかったんじゃないのと、思ってしまった。わざわざ新刊を気合い入れて、翻訳出版するほどの内容じゃないよね。他にも読者が翻訳を待ってる本沢山あると思うのだが。
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