総合評価3: The King: Black Dagger Brotherhood #12

2015年4月18日

The King: Black Dagger Brotherhood #12ラス(Wrath)とベス(Elizabeth Randall)が絆を結んで2年の歳月が流れようとしていた。その間、レッサーは勢力を増し、ヴァンパイアの中にも見渡せばラスの敵ばかり。ラスは暗殺計画により、重症を負いながらもなんとか一命を取り留めたばかり。そんなラスを心配するベス。この頃ベスは子供が欲しいと思い始めていた。

著:J.R. Ward

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Black Dagger Brotherhoodシリーズ、12部目。

今回も、ネタバレ炸裂レビューでいきますww。

ベスは子供が欲しいと思い、頻繁に妊婦中の巫女のレイラ(Layla)の元を訪れていた。ヴァンパイアの女性の排卵期(Needing)は5年に1回とされる中、排卵期の女性の近くにいるとホルモンの影響を受け、5年サイクルが速まることもあるらしい。それを知ったベスは、自分にも早く排卵期が訪れる事を望んでいた。

なんでベスは子供が欲しいと思ったのか。

もちろん女としてこの世に生を受けた限り、純粋に愛するラスの子供が欲しいと思ったのも事実だが、トーメント(Tohrment)の元妻、ウェルシー(Wellesandra)が10部で言っていたように、何時命を落とすかも知れぬツレ。もしツレが先に死んでしまったら、せめてツレの変わりに心の支えになる子供がいて欲しい。しかしそんな家族計画をラスとベスは真剣に話あった事はなかった。

一方ラスは、子供なんて絶対いらん。その一点張り。

ヴァンパイアの出産はリスクが大きいのもしかり、もし2人の間に男の子が生まれたら、その子は次の王という運命が待ち構えている。ラスは、毎日ただ淡々と繰り返される事務仕事にウンザリしていた。また、父と比較して自分は王として相応しいのかも疑問だった。王とは名ばかりで、風格などまったく無い。父親になれる自信もなかった。また、今では盲導犬なしでは生活出来ない自分の視力。生まれてくる子供も障害がないとは言いきれない。

ベスがレイラと最近頻繁に一緒にいる事を知ったラス。家族計画に関して、ラスとベスで夫婦喧嘩が勃発する。現在のブラザーズ施設に引っ越す前に二人が住んでいた、ダライアス(Darius)家に、逃げ込んだベス。一晩ベスが帰ってこない事をしったラスは、怒りでブラザーズ施設内のいつも皆が集まるスペースを破壊してしまうほど。

相変わらず激しい男だ(笑)。

とは言え、ベスは独りよがりだった事を反省し、ラスも、子供を持つ思いをZ(Zsadist)やトーメントから話を聞き、一方的に頭ごなしに子供を否定するのではなく、ベスと話し合おうと思った。

でもねぇ~~。そんな矢先、ベスが排卵期を迎えてしまう。もう話し合いどころじゃないはな。待ったなしに今すぐヤラなきゃと、強制子作りを開始する2人。

ラスが一生懸命ベスの為に腰を振っていた時同じく、ヴァンパイア貴族議会である規制案の施行が可決された。本来王の嫁となる女王はヴァンパイアの純潔もしくは、ほぼ純潔でなくてはならない。しかしベスは人間とのハーフで女王として認められない。したがって、ベスと絆を結んだラスが王位に付き続ける事は、ヴァンパイア法に違反するというものだった。

J.R. Wardは、話を濃く、リアルにするために、現王のラスVS王の座を狙う貴族の男、彼らをサポートする弁護士。それらの男達の因縁は実は、2世代に渡るモノと言う設定に話を持って行ってる。遥か昔、ラスの母はラスを妊娠中に、ある貴族の男に毒をもられ、危うく命を落しかけた。そして今回、毒をもった貴族の男の息子が、ラスの失脚を企てた。貴族側をサポートしたのが、ブレイロック(Blaylock)の元カレサックストン(Saxton)の父(同じく弁護士)。サックストン現在ブラザーズの専任法務官を務めており、父のとの因縁も含め、今回の王位はく奪に責任を感じていた。

そして、どうやってこの難問を解決したか。

ラスとベス離婚することにした。規制案の施行日の3週間前に、実はラスとベスは正式に離婚しており、今回の王位はく奪はそもそも効力がない。

これはベスが考え出したアイデアなのだが、ベスは女王の座などどうでもいい。離婚と言っても手続き上のもので、2人が本当に愛し合っている事に嘘偽りはなく、ベスとラスはこれまで通り人生を共に歩んでいく。当然ラスは離婚に反対するが、ヴァンパイア法での離婚の変わりに、ベス(人間)のしきたり、キリスト教による結婚式を挙げることで、なんとかラスは渋々納得した。

2人、ブラザーズや皆に囲まれながら、バージンロードを一緒に歩いたのは、兄のジョン(John Matthew)。トーメントの堕天使のラシータ(Lassiter)が牧師を務め、何とも爆笑あり・涙ありの、ステキな結婚シーンに仕上がっている(ラシータ、キャラ最高!)。

“I, wrath, take you, Beth as my beloved wife, to have and to hold from this day forward, for better, for worse, for richer, for poorer, in sickness and in health, to love and to cherish, till death do us part. This is my solemn vow. I give you this ring as a symbol of my vow, and with all that I am, ad all that I have, I honer you in the name of your Father, and your Son, and your Holy Spirit”.

ラスにとって、ベスとの絆の証、ヴァンパイアの儀式が重要だったと同じように、結婚式はベスにとって、とても意味がある物。それを実感したラスは、ベスの事、Mateではなく、Wifeと呼ぶようになる。

王位はく奪から難を逃れたラスとベス、その後ベスはめでたく、男の子を妊娠していることがわかった。

と、ここまでツラツラとストーリーのネタバレしまくってますが、この本のポイントは、「ラスが自分を見つめなおす」。コレにつきると思う。ベスの妊娠により、父になる責任や悦び、自分の王としての立場、生まれて来る息子(Little Wrath:通称LW)の定め。など今回の事件やドラマを通して、ラス自身が、再認識していくのが、12部のミソだと思う。実際、息子が生まれるという事実を知ったラスは、自信が身に付き、日々の王の仕事への責任感も以前に増して感じるようになり、ヴァンパイア界をより良くしたいという思いが強くなっていった。

そして、ラスは生まれて来るLWの為に、大きな決断をする。それは、王位継承性を廃止して、民主制に変えるというものだった。この先ラスの血族だけが王になれる王位継承性を続ける限り、ベスやLWにも危険がともなう。民主選挙制を導入すれば、何世代にもわたり被害を受けてきた暗殺はなくなる。またLWの人生は彼本人が決めるもので、強制されるものではない。

短気で荒っぽくて、傲慢でだったラスが、とことん男上げてますよぉ。王としての品格みたいなモノを備わってきちゃって。貴族でもなんでもない平民ヴァンパイアにも積極的に交流するようになり、陛下として熱い信頼を獲得していった。

で、初のヴァンパイア民主主義での、王の座選挙の当選者は・・・ジャジャァァァン~~。ラスでした(爆)

また、前回の11部で、走り出した3組のカップル。シリーズ最新の次の13部は、そのカップルの中から、トレッズ(Trez)とセレーナ(Selena)がヒーロ&ヒロインの模様。レビューを読むと、シリーズ初期の頃のように、ロマンスがタップリ盛り込まれているようで、今から楽しみ♪。

 


日本語版ブラック・ダガー・ブラザーフッドシリーズ / 訳:安原 和見

     
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