ドリュー(Drew Evans)とケイト(Kate Brooks)が同棲を始めて2年の歳月が過ぎようとしていたある日、ケイトはドリューの子を妊娠したのではと疑っていた。疑いがハッキリするまでドリューには妊娠を秘密にしようとしたケイト。その行動を不審に思ったドリューは、ケイトが浮気をしていると勘違いしてしまう。
著: Emma Chase
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Tangledシリーズの2部目。ケイトの目線で書かれた本。ドリュー馬鹿だ。やっぱりバカだ。「この大馬鹿野郎〜〜」。姉目線でこの本を読んでるWet Rushは、目の前にドリューを正座させて、コンコンと説教したい衝動を抑えるのが必死だったわ。
ケイトは、ドリューの子を妊娠しているのではと、NYで産婦人科医をしている大学時代の友人に連絡を取る。妊娠の有無がハッキリするまでドリューにはこの事を内緒にしようと思ったケイトは1人産婦人科医を訪れた。そんなケイトの不審な行動を疑問に思ったドリューは、ケイトを尾行し、ケイトが見知らぬ男性と親しそうに笑顔で抱き合っている所を目撃する。ケイトの浮気現場を目の当たりにしてしまっと勘違いするドリュー。
そうなのよ、完全に勘違いなのよ〜〜。
ドリューが目撃した男性はケイトの浮気相手でもなんでもなく、産婦人科医の友人の旦那。久振りの再会にハグしてただけ。
しかし、大馬鹿野郎ドリューは、ケイトが浮気していると勘違いし、大酒飲んで、売春婦を自宅に連れ込んだ。一方ケイトは、妊娠している事実を知り、ドリューにこの嬉しいニュースを伝えようと家に帰る。で、ケイト、ドリューが見知らぬ女とのエロ真っ最中に帰宅(チ~ン)。
【ドリューの言い分】
ケイトの浮気があまりにもショックだった。どうやったらケイトを取り戻せるか考えたドリューは、自分が他の女と浮気している現場を見せつければ、ケイトは独占欲をあらわにし、浮気相手と別れ自分の所に戻ってくるのではないか。
【ケイトの言い分】
妊娠が分かり、戸惑いや不安はあるけれど、決意を胸に愛するドリューにとっても今後の人生に大きな影響を及ぼす、告白をまさに今しようと心に決めたその時、とうのドリューは2人が愛を育くみ、子を授かったその家に別の女を連れ込み浮気をしていた。
で、ケイト、ドリューに三行半を叩きつけ、荷物をまとめて家を出る(当然じゃ)。
また、ドリューが産婦人科まで尾行していた事実を知ったケイトは、ドリューは妊娠を知った上で、子供が欲しくないから、自分を捨てる為に、ワザと浮気現場を見せるような行動を取ったと考えた。
ドリューの早とちり&勘違いが、ケイトの誤解も産みだして、「妊娠」という大事な局面で、すべてが空回りしてしまう。
ドリュー、なんでそんな事するのぉぉぉ〜と、読んでて彼がアホすぎて、情けなくなった(後で思ったんだけど、情けないヒーローってなかなかいないよねww)。
職場に退職届けを出し、地元のオハイオ州に戻ったが、妊娠が分かった途端に男に捨てられ、落ち込みと、つわりと、憔悴状態のケイト。
中絶も考えてだしたりして、このあたりのケイトが不憫で不憫で泣かされた。ラブコメ爆笑ストーリーが、いつの間にかこの本では涙を誘う、切ないストーリーに仕上がっていて、Emma Chaseの懐の広さにも関心。
1部と1.5部の笑いを誘うドリューのアホっぷりではなく、浅はかで情けないアホっぷりに、ヒーロー失格と、読者も三件半を叩きつけたい所だが、終盤、2人の誤解が晴れて、よりを戻した上での、ドリューへの厳し〜〜い制裁と、2人が欲望だけではなく本当の意味で関係を深めようとするくだりを読むと、なんかやっぱり、ドリューを見放せない。そんな彼を暖かく見守る感情を見栄えさせてくれる、Emma Chaseの作り上げた、ヒーロー像が新鮮で素晴らしい。
そして、息子ジェームス(James)を出産したケイトと父となったドリュー、後残すは結婚となるのだが、次の3部は先に結婚した、親友デロレス(Delores)とマシュー(Matthew)のロマンスの模様。デロレスのキャラが結構気になるので、これまた楽しみ。
日本語版 Tangled / 訳:出水 純(Amazon Japan)
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