総合評価4: Blood Vow: Black Dagger Legacy #2

2017年1月6日

Blood Vow: Black Dagger Legacy #2ヴァンパイア騎士団候補生のアックス(Axwelle:通称Axe)は、同じ候補生のペイトン(Payton)の従姉妹、エリース(Elise)に出会う。お互い否定出来ない欲望を覚えるが、エリースは自分とは住む世界が違う貴族の娘。交わる事のないヴァンパイアだとアックスは思っていた。そんなある日ヴァンパイア王であるキング(King)の勧めによりエリースのボディーガードをする事になったアックス。それを気に2人の関係は少しづつ縮まっていく。

著:J.R. Ward

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Black Dagger Brotherhoodシリーズのスピンオフ、2部目です。

本家ブラック・ダガー シリーズから枝分かれして、新たに加わった騎士団候補生6名のロマンスを描いたストーリー。前回の1部は、候補生同士のカップルが誕生し、今回は候補生(ヒーロー)と一般ヴァンパイア(ヒロイン)の話。

そして、J.R. Wardお決まり、ダブルロマンスもストーリーに盛り込まれていて、レイジ(Rhage)とメアリー(Mary)も登場。

って最初にこの本を読み終えて思ったんだけど…。

J.R. Wardって、本家のブラック・ダガー シリーズがカオス状態だから、ロマンスに特化してスッキリした本を作りたいと、ワザワザ別シリーズでこの候補生達の本を出版したって説明してたけどさぁ。で、このシリーズの1部はまだ、若干ロマンスに特化したスッキリ感あったけど、この本に関していうと、すっかり本家ブラック・ダガー シリーズのカオスに仲間入り。レッサーとの戦闘シーンもありの別シリーズという要素は全くなく、ブラック・ダガー シリーズの単なる延長。別シリーズにした意味まったくなし。

多分ね、ストーリーの構成がカオスになるのは、J.R. Wardの特徴で、カオス=J.R. Wardと思うしかないな。

今回のメインロマンス、アックスとエリースは新登場人物だけど、レイジとメアリーに関しては、本家ブラックダガー・ブラザース14部の話の延長だよ(苦笑)。

本家シリーズのあっちの続きをこっちに持ってきて、もう本家も枝分かれも話の堺が無くなってる。

あんまり話を広げすぎて、カオスがどんどん拡大していくと、話の落とし所を失ってしまうんじゃないかと、勝手に心配している。このプロットの散らかりよう、J.R. Wardは最終部でどう収拾させるんだろ(もう完全に、高みの見物状態)。

後、もうひとつ気になるのが、本の値段。英語版でも複数の出版社から出てるっぽいけど、どんどん値段が上がってる。人気シリーズで、安定的に売れるってのは理解できるけど、なんか読者の足元みてるようで嫌だな。好きな読者は自分も含め、いくら出しても買うからね。それにこんなに値段が上がったら、昨今厳しい日本の出版業界、きっと版権の値段も上がってるだろうし、安定的に訳本出せるのか心配にもなる(私に心配されても、余計なお世話かもしれないが)。今月6部の訳本が出版されるけど、まだまだ続きは沢山あります。二見書房さん頑張って〜。

さて、新登場自分人物、アックスの母は彼が子供の頃、自分と父を捨てて家を出ていってしまった。その後父は、出ていった母への思いを断ち切れず、すっかり自分の殻に閉じこもり、半ば育児放棄の状態で、アックスは大人になる。そんな母と父に反発したアックスは、酒・薬・セックス(BDSM)に溺れ、乱れた生活を送っていた。しかし、本家シリーズ6部で起きた、ヴァンパイアの大量殺戮の犠牲になってしまった父。その時アックスは、酒と薬でハイ状態。父から最後に受け取った携帯への留守電を一度も聞く事なく削除してしまう。その事が彼に大きな後悔となり、酒と薬から足を洗い、騎士団に参加する道を選んだ。また、父を殺した敵対勢力レッサーへのかたき以外にも、父の死は、貴族に見放された事が原因だったため、貴族を毛嫌いしていた。

一方ヒロインのエリースは、筋金入りの貴族の娘。何不自由なく贅沢な生活を送っていた。しかし、最近彼女の従姉妹が狂気殺人の被害者になってしまった事で、エリースの父は、娘の安全をひどく気にするようになり、エリースの自由を奪おうとする。しかし父が娘の安全を願う本心は、娘を思うが故にではなく、姪が殺人事件の被害者になったのは、姪の素行の悪さに問題があったから、もし自分の娘がなんらかの事件に巻き込まれてしまったら、その噂は一気に貴族界に駆け巡る。そして自分の貴族としての地位を失ってしまう。名声、金、欲それがすべての父、そんな父にも貴族界にもエリースは、ウンザリしていた。

と、ヒーローもヒロインいろいろ問題ありで、その事が、2人のロマンスの障害になってるわけね。

ちなみに、アックス、エリースに出会う前は、BDSM愛好者だったが、エリースにはバニラ。J.R. Ward時々BDSM話に登場させるけど、いつも扱いが中途パンパだよね。このプロットはなくてもいいのに。

しかし、J.R. Wardってアルファヒーロー書かせたら、天下一品ね。アックスがこの上なく胸熱で、この本Wet Rush総合評価4にしてるけど、ほぼアックス1人がその要素を担ってる。もう鼻息爆風全開で、タブレットにヨダレ垂らしながらヒーローの魅力を堪能させていただきました。

通常ならありえん、ドン引きする位の臭いセリフも、熱〜い男気ある魅力も最高(絶倫も)。

カオスだなんだと、いろいろ文句いっても、やっぱこれだから、このシリーズ辞められない。

本家も枝分かれもすべて含めて、ヒーローの魅力が最高だから、今もまだこうやって指示されるのかな。

そんなアックス率いる候補生もこの本でトレーニングを卒業し、本家シリーズに登場する、ジョン(John)、ブレイロック(Blaylock)同様、騎士団の下の戦士集団として、レッサーとの戦いに実践参加する事に。候補生から格上げです。

そして、ダブルロマンスのもうひとつ。レイジとメアリー。

2人は、14部で、養女ビッティ(Bitty)を受け入れ、家族として生活していた。しかし、正式にビッティが2人の子供となるには、半年間の猶予があり、レイジもメアリーも無事にこの半年が過ぎ、本当の家族となれる日を夢見ていた。そんなある日、2人の前に、ビッティの叔父と名乗る男性が現れる。叔父は姪であるビッティの面倒を見たいと申し出た。当然ビッティの養育権は親族が優先される。すでに本当の娘同然にビッティを愛するレイジとメアリーは、ビッティを失うかもしれないと打ちひしがれていた。

はい。本家シリーズの続き、養女になるの、ならないの。の話の続き。

Wet Rushブラックダガーシリーズの中で、一番熱〜い奴ってレイジだと思うのだが、娘を愛する姿が、まぁ素敵。レイジ(も)たまらん。

ビッティは母と共に父から虐待されおり、その事が原因で母は死んでしまった。何度も繰り返された虐待で、ビッティの関節は正しく完治しておらず、もし近い将来ビッティがトランジッション(遷移)を迎えたら、急激な成長に関節は対処出来ず、皮膚を突き破り、最悪ビッティは手足切断を余儀なくされるかもしれない。その問題を治療するために、ビッティは手足の関節を矯正する必要があった。しかし、ビッティは麻酔にアレルギーがあり、麻酔無しで、関節矯正の手術を受ける事になる。病院のベットで痛みに泣き叫ぶビッティ。

そんなビッティを見守るレイジ、感情が爆発して、その場で病室の天井を突き破り、医療機器を破壊して、龍に大変身(爆)。

レイジ…今ビッティの手術中ね、龍に変身してる場合じゃないから。おいおい(汗)。

まぁ、その位レイジはビッティを愛してるって事ね。

ビッティの叔父は、実は15年程前にトランジッションを迎えたばかりの若者で、最終的にはビッティと一緒に叔父もレイジ・メアリーで面倒見ちゃおうと。ビッティの叔父は、レイジにとって弟とか息子みたいな存在になって、家族みんなでハッピーに。

丁度この本の設定もクリスマスから新年にかけての話で、「家族の集い」を話に盛り込むにはベストタイミング。今や人間(元の人も)も沢山登場人物となっているので、人間の習慣に合わせてクリスマスを祝ってプレゼント交換したりと、このあたりの下りは微笑ましく読めたし、毎回各本に登場する、お笑い担当、堕天使のラシータ(Lassiter)、今回も爆笑させられたが、堕天使らしく心温まる一面もありで、良いキャラだった。

そして、次のブラック・ダガー シリーズ15部は、「切なさマックス」なレイラ(Layla)とコア(Xcor)の話。今年4月発売。レイラとコアの詳しいキャラはレビューを書く時に説明するけど、レイラが最初に登場したのは、なんと2部のレイジとメアリーの出会いの時。その後コアと恋に落ちたのは、10部。J.R. Ward引っ張りに引っ張って、ようやく、満を持して次で2人に話が回ってくる。

ものすごく、待ちきれん!

 


日本語版ブラック・ダガー・ブラザーフッドシリーズ / 訳:安原 和見

     
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