総合評価5: The Shadows: Black Dagger Brotherhood #13

2015年5月1日

The Shadows: Black Dagger Brotherhood #13トレッズ(Trez)は、生まれながらの悲運な運命から逃げだし、双子の弟アイアム(iAm)と日々の生活を送っていた。しかしついにその運命が動きだした時同じく、巫女のセレーナ(Selena)に出会い2人は熱く燃え上がっていった。

著:J.R. Ward

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Black Dagger Brotherhoodシリーズ、13部目。

3月末に発売となった、ブラックダガー・ブラザースの最新作。まさしく “Back to the basic!!” シリーズ初期の頃のように、ロマンス色満載で、しかも過去に例のないエンディング。好きか嫌いか、好みがはっきり分かれる内容だが、Wet Rushは、これはこれで「アリ」だと思う。というか素晴らしい!!

トレッズとアイアムは、シビー(s’Hsibe)と言われるコミュニティーに生まれたが、トレッズは生後間もなく生みの親から地位と金銭を引き換えに、プリンセスの許婚として女王に引き渡されてしまった。自由を奪われ、つねに監視、監禁された状況下で成長する中、唯一彼を気遣ってくれる、弟のアイマムだけが心の支えだった。

その後、シビーを逃げ出し、たどり着いたカールドウエル(Caldwell)で、アイアムと2人、リヴェンジ(Rehvenge)に出会い、彼の仕事を手伝いながら兄弟2人で生活を送っていた。そんなおり、大人の女性へと成長したプリンセスが結婚適齢期を迎えたことで、シビーのメンバーはトレッズをシビー連れ戻そうとする。身を隠す必要があったトレッズは、アイアムと2人ブラザーズの施設に引っ越し、なんとか許婚から逃れようとする中、トレッズは、運命の相手、巫女のセレーナに出会ってしまう。

セレーナは、巫女達の間にまれにある、原因不明の病におかされており、自分の命は、そう長くない事を理解していた。ブラザーズの専門医、ジェイン(Jane)とマニー (Manny)は、なんとかセレーナの病の原因を突き止め、彼女を救おうと試みるが、一向に解決の糸口は見つからない。

トレッズとセレーナの残された時間はあとわずか、トレッズはすべの時間をセレーナに捧げ、2人は熱~~く、愛を育んでいく。

いままでのシリーズの流れで行くと、こんなケースは、必ず「ご都合主義」で終わるのが通例。Wet Rushも、きっと最後は、セレーナの病が治るor死んでも復活する。そして2人はHappy ever afterと甘く考えていた。しかし!!!  このストーリー、トレッズとセレーナはHappy ever afterじゃありません!!!

あれだけ、「ご都合主義」に文句言っておきながらも、じゃぁ「ご都合主義」じゃなかったら。それはそでは、ものすご~~く、切ない。切なすぎる。

ストーリーの終盤は、切なすぎて、胸熱すぎて、号泣・号泣。気持ちを落ち着ける為に、読書をちょっと中断して・・・でもまた、号泣。

とにかく、シリーズイチ、断トツで泣かされた。

唯一気持ちを落ち着けられるのは、アイアムは、シビーのプリンセスと恋に落ちる。プリンセスは、母である女王の不正を暴き、母を女王から失脚させ、自らシビーの女王となることで、トレッズとの許婚を無効とし、トレッズが長年苦しんでいた定めから彼を解放させた。その後正式にアイアムと一緒に人生を歩んでいく。

トレッズとアイアム2人はセットと、J.R. Wardは言いたかったかな(Wet Rushはそう解釈した)。

トレッズが長い間自分の不運な定めに苦しんでいた、その間アイアムは自分の人生は二の次で常にトレッズを支えてきた。フュアリー(Phury)がザディスト(Zsadist)を支えてきたように、トレッズにとってアイアムは無くてはならない存在。ずっとアイアムに苦労をかけてきたと思うトレッズは、今度は、自分がアイアムの幸せを見守る番。たとえ愛する女性セレーナが側にいなくても。

トレッズ ・・・涙・涙・涙。切なすぎるよぉ・・・。

また、ツレが病に侵され余命まもない展開と言えばレイジ(Rhage)。レイジはトレッズがどんな気持ちでセレーナを思っているか痛いほど理解できる。しかし、自分は最終的に書の聖母の助けがあり、メアリー(Mary)を失わずに済んだ、だが、トーメント(Tohrment)やトレッズは何故ツレを失ってしまったのか。自分とトーメント、トレッズになんの違いがあるのか、メアリーが今でも側にいる事実は心の底から嬉しいが、素直に喜べない。そんなレイジの複雑な心理も、読み応え満載。

レッサーとの戦いや、BOBの因縁も面白いけど、この本は、命と残されたモノの人生、兄弟愛、仲間を思う気持ち、そして強烈に胸熱なロマンスなど、心理描写を全面に押し出す形で、読み終わった後もずっと余韻が残るストーリー。1部からこの13部までの中盤は、いろんなドラマがあっちこっちで繰り広げられ、ストーリーの核心が見えにくかったが、いままでの流れを一新した、新しい形で書かれたこの本。ある意味読者の期待を思いっきり裏切った、J.R. Ward。

Wet Rush的には、大成功とったいった感じ。文句なしの5スター!!!

 


日本語版ブラック・ダガー・ブラザーフッドシリーズ / 訳:安原 和見

     
胸熱度
濡れ度
泣き度
総合評価

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