総合評価2: Grey: Fifty Shades of Grey #4

2015年6月22日

Grey: Fifty Shades #4 ベストセラーとなったFifty Shadesシリーズ。今年は1部のフィフティ シェイズ オブ グレイも映画化された。そんな1部をヒーロー、クリスチャン(Christian Gray)の目線で語ったPOV本。

著:E. L. James

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皆さんどうもぉぉ~!
先日6月18日(ちなみに6月18日はクリスチャンの誕生日)に発売となった、ヒーロー目線でかかれたグレイ。早速読んでみました。実はこの本昨日読み終わっていたのですが、レビューを書くにあたり、怒り炸裂で、言いたい事が盛り沢山。ちょっと気持ちを落ち着けるのに、1日寝かしてみたww。

それでもこの本に対するWet Rushのレビューは辛口&ネタバレです。私自身、かなり期待して発売日当日から読み始めて、結果とってもガッカリしたので、これからこの本を読む方への思いも配慮して、以下のレビューはあくまでもWet Rush個人の感想といことでお願いしますね。

とにかく、この本を読みながら思ったのは、ただの焼き回し。単純に1部を再読してる感覚だけが強かった。この内容なら私でも書けるわ。E. L. James手抜き過ぎ。

1部の全文の中で、クリスチャンとヒロイン アナ(Anastasia)が一緒にいないシーンは、彼に仕事かマラソンさせておく。で、ちょろ~とクリスチャンの過去エピソードとPOVを盛り込んで、後は、本文の中のHeをSheに変えれば出来上がり。ほぼそんな構成です。クリスチャン目線と言っておきながら、彼の思いはものすごく中途半端。

このFifty Shadesシリーズの1つの面白さは、クリスチャンの変人っぷりにあると思うのよ。私も含め読者は、そんなクリスチャンの心の内にものすごく興味があるから、それだけこの本に期待してた。それが、まぁ~浅い。浅い。

E. L. Jamesには、クリスチャンの心の内にガッツリ大穴空けてグイグイ掘り下げて、時に、過去の体験やトラウマなんかも掘り起し、あからさまに彼の思いを読者に見せて欲しかった。それが、E. L. Jameは、クリスチャンの心の内を一皮剥いだだけ。掘りが浅すぎるつ~の。

例えば、BDSM契約の内容を取り決めるために、ポートランドのヒースマンホテルで、プラム色のドレスでおめかしたアナと2人、生蠣食うシーン。クリスチャンはアナとのBDSM契約に持ち込むために、色仕掛け作戦を試みる。でもアナは女の意地を見せて、クリスチャンの誘いを断り、オンボロ ビートルに乗って家に帰る。クリスチャンは今夜こそ、アナとのBDSM契約を成立させ、ついでにホテルでの熱いエロを期待していた。でもアナに拒否され、しかも契約成立も保留となり、落ち込みながらひとり寂しくホテルの部屋に戻り、自分に対して一言。

You’ve really fucked up this deal, Grey.

これだけ。

はぁぁっぁあ~~??? と、本当にあきれて物言えんかったは。

私は、なぜクリスチャンが自分の事をfucked upしたと思ったのか、アナに誘いを拒否られてどう思ったのか。過去のSubにはまったく湧かなかった感情がなぜアナに対しては湧き上がるのか。それが知りたくてこの本にお金を出したのよ。クリスチャンのつぶやきを読むために、買ったんじゃない!!

とにかく、この本こんなど~~~~でいいつぶやき(E. L. JamesはこれをクリスチャンのPOVという)が、延々続く。

しかも、クリスチャンの心の内を一皮しか剥いでいないから、結果彼のキャラを完全に台無しにしている。そもそも、3部のフリードの終盤にオマケとして掲載されていた、アナとの出会いを綴ったクリスチャンのPOV、あれを読んだ時も、ものすごく違和感を覚えたんだけど、今回も同じくクリスチャンがただのその辺の「アホ兄ちゃん」にしか思えなくなった。クリスチャン自身そもそも激しい男だから、カスワード炸裂でも言葉に品がなくてもいいのよ。でも、洞察力がまったくないうわべだけの彼のPOVに、この本はクリスチャンを嫌いになるために書かれた本だとしか思えなくなった。

若くしてビジネスで大成功を収めたとされるクリスチャン、そんな設定なら、人並み以上の洞察力やカリスマ性が絶対あるはず。でもE. L. Jamesがこの本で表現したクリスチャンは、エロしか頭にない「ただのアホ兄ちゃん」。もしアナの魅力がクリスチャンをそうさせるなら、つぶやきだけでその事実を伝えるだけでなく、彼の見識を読みたかった。でもそれが一切書かれていないこの本からは、やっぱりクリスチャンは「ただのアホ兄ちゃん」という結論しか出てこない。

ストーリー終盤にアナにベルト打ちをかました事で、別れてしたまった時も、まぁなんとも他力本願。どうやったらアナを取り戻せるのか、精神科医のドクターフリンに助言をもらうまでは、ウジウジ悲しむだけ。つ~か、そんな事も分からないのかと、クリスチャンの浅はかさにガッカリ。

アナ以外にも、思いのほかクリスチャンとの繋がり濃かったエレナ(Elena aka Mrs. Robinson)や、後に2部でアナに銃を突きつける レイラ(Leila)、1部をそのまま焼きまわしするのではなく、不必要なシーンは削って、クリスチャンの過去女との関係エピソードを掘り起こしつつ、現在のアナへの思いと比較するとか、もっともっと、この本を面白くすることはいくらでも出来たはず。

E. L. Jamesは、手抜きでこの本を書いたのか、そもそも彼女に読者を黙らせるほどの深層心理を書く技量がないのか。

確かに英文自体もまぁお粗末なものだが、私の英語力よりE. L. Jamesの英語力のほうが上だと思うので、ここは文句いうのやめとくww。

評価はゼロでいい。と読み終わった直後はストレス炸裂だったが、それでもけなげにクリスチャンを受け入れようとするアナの魅力と、E. L. Jamesの作家としての技量がどうであれ、やっぱりこのストーリーのコンセプト自体は好きなので、100万歩譲って、総合評価2としておきます。

 


日本語版Fifty Shadesシリーズ / 訳:池田 真紀子 (Amazon Japan)




胸熱度
濡れ度
泣き度
総合評価

6 Comments

  • ちぇしゃ 2015年6月22日 at 7:15 PM

    この本、Kindleで発売日に購入したのだけど…最初の数頁で、やっぱりこれアカンやつや…となって読むのをやめております。前回のシリーズ同様にこればっかりは日本語で読んだほうがましかなと。この文章表現力でサム・テイラー=ジョンソンや脚本家とけんかしたり、小説指南の本を出すとかいってるとかすごいなと…(-ω-)
    口直しにまたTiffany ReiszのThe Virginに戻ってちまちま読みますw

    • Wet Rush 2015年6月23日 at 9:44 AM

      ちーさん
      ホント、がっかりも良い所。これでも読み終わった後の怒りをかな~り抑えてレビュー書いたつもりだけど、やっぱりアカンもんはアカン。

      つ~か、この本は発売前からベストセラーになる事分かってたんだから、出版社はなんとか出来なかったのか? 売れっ子作家先生にはたてつく事は出来ない。売れればいいよっと割り切ったのか。
      もう詐欺もんでっせ。

      言葉に奥行のある日本語で、化粧直ししてくれる事を願う。

      はい。もうE. L. JamesにTiffany Reiszの爪垢のませてやりたい < `ヘ´>

  • SIRONEKO 2016年2月20日 at 1:53 AM

    やっと翻訳版の「グレイ」読みましたので、感想をちょっと。
    しかし、概ねWet Rush様のお書きになったそのままなので、書き加えることがない。
    数万人の従業員を抱える大企業のトップがああまで側近に顔色読まれちゃって
    いいんだろうか、テイラーはまだしもね。
    ただ、「ダーカー」でアナを又失うかも知れないという恐怖から、クリスチャンが
    サムミッシブになってしまった経緯がわかりました。
    また底知れぬ闇が自分を飲み込んでしまうという恐怖は理解できました。
    さて、「ダーカー」「フリード」のグレイ版は出るんでしょうか?
    世界的な出版不況なんだから出版社は出したいんだろうけど
    ゴーストさんにでも描かせちゃったらなんとかなる?

    • Wet Rush 2016年2月21日 at 5:09 AM

      SHIRONEKOさん
      私が、日本語訳のグレイは評判いいらしい。って言ったんですよね。←ごめんなさいm(_ _)m やっぱりダメでしたか…。いくら腕の良い翻訳家を起用しても、ストーリー自体を変える事は出来ないので、オリジナルの原書が面白くないと難しいですね。とにかく私はグレイを読んでいて、ここまで痒い所に手が届かない本はないって印象でした。最初はこのシーンでクリスチャンの悩みや心に思う見解は述べられてないけど、後できっと彼の思いは書かれているはず、「どこ〜どこ〜」と探し出すように読み進め、最後には「どのにも書いてねぇ〜じゃんか‼︎」とひとりでブチ切れた(笑)。そんな状態でした。

      「ダーカー」や「フリード」の映画が公開になる頃には、話題集めも兼ねてなんらかのアクションを作家エリカ様は起こすのではと淡い期待。ぶっちゃけゴーストが書いた方が良いストーリー書けたりしてww。クリスチャンのPOVじゃないけど、ノリと冗談で、私スピンオフ考えたりしたんですよ。よかったら見てみてください(こちら)。

  • SIRONEKO 2016年2月23日 at 5:26 AM

    スピンオフ、読ませていただきました。サスペンス色が濃いですね。
    クリスチャンが様々なこと暴露されて社会的地位を失う寸前に・・・テイラー等の活躍で
    救い出されたアナが全てを粘り強く解決する、なんていうのはいかがでしょうか?
    実は私も10年後の幸せな一家から始まるお話を考え続けています。
    望んでいるのになかなか3人目が授からないアナがある日出張先で行方不明になる・・・と
    言うのが発端で、それから始まる物語です。
    再認識しましたが私にはHOTシーンが書けません。もっとお勉強しよう!

    • Wet Rush 2016年2月24日 at 11:47 AM

      SIRONEKOさん
      テイラーの活躍いいですねぇ~! ミセス・ジョーンズとの関係も気になるし、この際2人のロマンスも交えつつ。実はテイラー、クリスチャンを超える超Domだったとかww。

      そして、10年後のストーリーも面白そう!
      私も読むほう専門で、ストーリーを書くことは出来ないので誰か書いて欲しい。そう考えるとスピンの題材は沢山ありますね。

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