サラ(Sara McMillan)とクリス(Chris Merit)は2人の愛を深めていった。その傍ら、依然として消息の分からないレベッカ(Rebecca)。サラは、レベッカが本心を綴った日記と、彼女が働いていた職場で、レベッカの足取りを追ううちに、ますます彼女を助けたいという思いに駆られていく。
著: Lisa Renee Jones
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サラとクリスの深まる愛、サラが案じるレベッカの消息、サラの上司マークとの関係、この3つの関係がメインにストーリーは展開していきます。
サラは、レベッカの日記に綴られた、BDSMの快楽だけにとどまらない彼女の苦悩を案じます。しかし消息は以前不明のまま。
そしてサラの上司のマーク、彼はギャラリーの他に会員制のBDSMクラブのオーナーとしての顔ももつ、Dominant。 彼がレベッカのMasterなのか・・・しかし、クリスもマークとは異なる趣があるにせよ、同じくDominant。 マークとクリスはコインの表と裏のように1つのコインから2つの違う趣旨を持ったDominant。2人のDominant感がこの本で明確になっていきます。
一方、サラとクリスは、お互いの秘密も共有する深い関係となり、サラがアートビジネスの夢をあきらめ、高校教師をしていたのは、彼女の家族にまつわる確執で、クリスは彼なりの方法で、サラの苦悩を和らげていきます。また、クリスのダークな秘密もこの本で明らかになります。新たなBDSMの形。レベッカの消息が明らかになり、その事が原因でサラが危険に晒され、クリスの心の葛藤が、彼のBDSM感を明らかにさせました。それはクリスの心の闇でもあり、衝撃的でもあります。
サラ、クリス、マーク、そしてレベッカ、この4名の軸にストーリーは渦を巻きながら、後半、イッキに話が終わりを迎えます。ミステリー特有の緊張感と、エロティカロマンス特有のトロトロ感がうまく混じり、読者を飽きさせないストーリーで読み応えがありました。
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