7日間のご主人様: 12 シェイズ・オブ・ナイト

エレノアのご主人様がしばらく留守にする間、彼女は彼の友人で同じくDomのダニエルに貸し出されることになった。エレノアはご主人様の所有物であるため、ご主人様は彼女を誰かに貸し出すことも可能だ。ダニエルは、妻を3年前に亡くして以来、家に引きこもっており、そんなダニエルを救いたいと願うエレノアのご主人様は、エレノアと関係をもつことで、ダニエルを変えるきっかけになってくれればと願っていた。
- 胸熱度 60%
- 濡れ度 30%
- 泣き度 20%
- 総合評価 40%
t英文を美しく表現する、ティファニー・ライス、日本語に訳されるとどうなるのだろう・・・と、素朴な疑問が湧いて、探してみたら、すぐに見つかった彼女の日本語訳本。読み進めていくうちに「あれ?」と思い、調べてみた所、なんとこの「7日間のご主人様」、現在の英語のタイトルは、The Gift:The Original Sinners (0.5)。そうなんです! The Original Sinnersシリーズの1部の前を描いた、短編小説でした。
The Original Sinnersシリーズで説明していませんでしたが、ノーラは彼女のペンネームで、本名は、エレノアです。しかし、彼女自身は、エレノアという名前があまり好きではなく、普段も自分をノーラと名乗っており、1部に入ってからは、彼女のことを エレノアと呼ぶのは、ご主人様のソルンくらい。
ストーリー自体は、その後の1部~4部に繋がる短編小説ということもあり、ササと読めて、ティファニー・ライスのエロの世界と、せつなさも、楽しめました。この頃から「シャア・ラブ」は、根付いていた模様。
しかし、1部~4部のノーラのイメージと、この本のエレノアのイメージが随分違うなと。1部~4部でのノーラはもっと明るく、ユーモアがあって、カスワードもバンバン使う大胆で’ポジティブな女性。1部~4部で、ノーラが過去を振り返るシーンでも、彼女の破天荒ぶりは、その当時から顕在でだったのに、この本では、翻訳者によって上品なエレノアに作り替えられてしまったよう・・・。ダニエルも周りから笑いをとったりする、もっとカジュアルな雰囲気の男性です(あくまでもWet Rushの印象ですが)。
あと、やっぱり、英語での世界観を保ったまま、訳すのって難しいんでしょうね・・・どうも、1つの会話や文に言葉が多すぎる。おそらく翻訳された方は、随分削って訳していると思うのですが、まだ通常の日本語に比べたら、言葉が多い。そのおかげて、会話が、とてもクドク感じてしまう。そもそも、日本語は、1つの言葉に多くの意味を含み、短い文章に奥行を持たせて美しさが生まれるのに対し、英語は、同じ意味でも状況に応じて微妙に意味合いが変わる単語同士を組み合わせた、音や韻に美しさが生まれるもの。ある意味真逆といってもいいほど。作者が英語で描いた世界観を限りなく残しつつ、日本人が読んで理解できる訳にすると、こんな感じに仕上がるという所なのかな。本以外にも、日本語吹き替えの映画などもそうだけど、やぼったく感じるのはそのせいですよね。
しかし、それが影響してか、ティファニー・ライスが書いた1部~4部のThe Original Sinners感が、この本で薄まってます。そこが残念。
最初は、The Original Sinners感が感じられない、この本にがっかりしましたが、翻訳された清水 由貴子さん、どんな方か調べてみた所、ハーレークイーンものなどを数多く訳されてる、実績ある翻訳者であることがわかり、自分は翻訳家でもなんでもないくせに、果てしなく上から目線ごめんなさいとい。と反省。
いつか英語版も読んでみたいですね。そして、他の12 シェイズ・オブ・ナイトシリーズも読みたくなりました。
追記:その後どうやらこの本は販売が終了した?模様。で、ご主人様は淫らに調教する~服従~という別のタイトルで販売されています。
日本語版The Original Sinners / 訳 清水 由貴子、藤峰 みちか (Amazon Japan)
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