世界で一番美しい声: A Sign of Love (4)

事件に巻き込まれ、唯一の家族、父を失うという悲劇を経験した、ブリー(Bree Prescott)は、逃げるように地元のオハイオ州を離れ、湖が美しいメイン州の田舎町にたどり着いた。湖の畔のコテージで生活を始めたブリー。町に買い物に出かけたある日、その美しさを隠すように、ボロボロの服を着て、髪やひげを伸ばした不思議な男性に出会う。何故かその男性が気になったブリーは、彼が、アーチャー(Archer Hale)という孤独な男性である事を突き止める。
- 胸熱度 100%
- 濡れ度 100%
- 泣き度 100%
- 総合評価 100%
A Sign of Loveシリーズ、4部目。このシリーズを読み始めようと思ったきっかけが、このArcher’s Voice。この本、Goodreadsでは、4.57ポイント(11/3現在)という驚異的な数字を付けています。少し前までは、5ポイント台をキープしており、後に先にもここまで高ポイントの本はなかなか無い。期待度アゲアゲで、1部から読み進め、やっとここまで来た。
この本自体は、3部同様、他のシリーズとまったく接点のない独立した本です。つまりは、1~3部を読まなくても、まったく問題ないのだが、当初は、そんな事知らなかったので、律儀に1部から読み始めてみた。でも、最初から、読んでよかった。作者のミア・シェリダン、非常に素晴らしい!! 彼女の文章は、「論理的」と、1~3部でレビューしているが、この本も正しく同じ。
ヒーローとヒロインの設定や状況、2人のロマンスが、非常に論理的なので、読者の心に響く度合が高いんだな。ちょっとしたドラマや出来事でも、他の本に比べ、作者の伝えたい思いがビシビシ伝わってくる。
アーチャーは、子供の頃、目の前で家族を失うという辛い経験をし、その時の悲劇な事件がきっかけで、声帯を失ってしまった。以後伯父に育てらるのだが、4年前に伯父が他界してからは、町の皆からも見放された、世捨人な存在だった。生活に最低限必要な買い物以外は、ずっと家にこもり、誰とも係ることのない、孤立した生活を送くっていた。
一方ブリーは、聴覚障害者だった父の影響で、手話が出来、アーチャーと、手話によるコミュニケーションで、始めは、友達として関係を深めていく。
この本の本当に面白かったのだが、何故ここまで面白かったかというと・・・。
過去に例のないヒーロー設定。大抵のロマ本ヒーローは、派手に女性と遊びまくり~~などなど、すれた人生にイノセントな女性が現れ変わってくという設定が多い中、この本は、ヒーローもイノセント。
精神に少し障害のある伯父に育てられた事で、アーチャーは、ホームスクールで学校へ行った経験がなく、友達もいない、一般の少年が経験する事をまったく知らずに成長した。当然、童貞。そんなアーチャーが初めて、ブリーという彼を理解する存在を得たことで、成長していく。髪を切り、ひげを剃り、小奇麗な恰好をしたら、彼本来の魅力が露わになり、対人恐怖症を克服していき、もちろんブリーとエロも経験し、自信を付けていく。
ブリーに恋することで、どんどん強くなり、アルファ度が上がっていく過程に、読んでて強烈に胸が締め付けられる。作者の論理的な文章により、アーチャーが光り輝いていくさまが、たまらなかった。
アーチャーは、ブリーという存在により変わっていったが、ブリーは、そんな輝きを増していく、アーチャーをまじかで見ることで、過去の辛い経験が癒され、彼に守れられていると安心感も芽生えてくる。お互いがポジティブに影響したんだな。
I was finally home. Not the place, but his arms. Archer’s arms were my home- the only place I wanted to be, the place where I felt safe. The place where I felt loved.
と・に・か・く、ここまで、ヒーローに惚れた本は、本当に久しぶり。今年読んだ本の中で、ヒーローへの惚れ度は、断トツこの本ではないかと。
本のタイトル、Archer’s Voiceとは、「声=人生の意味」を失ったアーチャーは、ブリーとい言う「ボイス=前向きな心」を手にいれてたということではないかと。ミア・シェリダンニクイねぇ~~
本当にヒーローの魅力がたまらないので、ロマンス好きなら、絶対読んで欲しいと思う本です。文句なしの100%!!!
Archer’s Voiceのブックトレーラー。これ見ただけでも、本の魅力が伝わります。

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