Breaking Free: Masters of the Shadowlands (3)

2015年7月11日 | BDSM, 洋書, 濡れ本, 総合評価 4, 胸熱本 | コメント0件

Breaking Free: Masters of the Shadowlands, #3

 虐待を繰り返すサディストな夫からなんとか逃げ出したベス(Elizabeth Stanton)は、たどり着いたフロリダで、過去を忘れ気持ち新たに生活を送っていた。しかし長年培ったSubとしての欲望は消すことが出来ず、クラブShadowlandsに入会したものの、虐待のトラウマは思いのかベスを苦しめ、恐怖心から解放される事はなかった。そんなベスを見かねた、クラブオーナーのマスターZは、同じクラブメンバーのDom、ノーラン(Nolan King)にベスをゆだねる。

  • 胸熱度 70% 70%
  • 濡れ度 80% 80%
  • 泣き度 50% 50%
  • 総合評価 75% 75%

Masters of the Shadowlandsシリーズ、3部目。

この本の前に読んだ本(Ugly Love)の余韻を自分に自覚がないままも思いのほか引きずっていたWet Rush、Ugly Loveを読み終わった後すぐ間髪入れずにこの本を読み始めたのだが、どうも感情移入出来ず、ストーリーの前半は気持ちが集中出来ずにいた。Ugly Loveが、甘酸っぱい純愛グリーンアップルのような話なら、これは、肉汁タップリBDSM ステーキのような話。2冊合わせるとちょっと胸焼け状態。

でも後半は、この本に気持ちが入り込んだ事で、作者チェリス・シンクレアのBDSM論に大いに共感したり、ノーランのDomとしての優しさとか、ベラを守る男としての魅力とか、少しずつ癒されていくベラの心の傷とか、思わずホロっと涙する所もあり、なんともよろしい。

夫から虐待を繰り替えされていたベスは、体中傷だらけな上に骨折により足や手が変形していたりと、読んでて胸が苦しくなるほどに惨さが伺える。そんな夫から逃げだしたベスが、ShadowlandsでSubとしてプレイに参加するが、彼女の中でDom(男性)に対しての恐怖感、不信感はひどいものだった。そんなベスをノーランはBDSMを通して、少しずつ癒していく。

BDSMで癒すっておかしな話だが、要は男女の信頼なんだよね。とにかく怯え続けるベラを、支配と服従で完全に包み込んで守って、絶対的な安心感と、宇宙レベルの快楽をベラに与え、ノーランはベラから信頼を勝ち取っていく。信頼がある一定のレベルに達したら、痛みによる快楽がさらに2人の信頼を確実なものに押し上げて、信頼は愛へと変わっていき・・・と、読んでて私も心からノーランに癒されてたいと思えるほど(私Sub気あるのかな・・・爆)。つ~か、普通の女なら、こんな風に癒されたいと絶対思うは。

チェリス・シンクレアが良い文章書くから、BDSMの鞭打ちシーンとか、本の中に自分が吸い込まれていって、その場で体感しているような錯覚に襲われたほど強烈だった。たしか前にも誰かのレビュー記事で書いたけど、男女のセックス、要は行為自体はどれもさほど変わらない。そんなエロをエロ~く書ける作家って、表現力に長けてるんだろうな。女って、断片的なエロには興奮しないから、男女が出会って結ばれるまでの、そのすべての流れに気持ちが入り込んで、初めてエロがエロ~く感じる。「ただエロいだけじゃダメ」で、いろんな要素が必要。だから、ロマンスに気持ちが入り込んでエロいと感じる本が書ける作家が、ひとつの評価基準でもあったりして。

ところで、このシリーズ、非常にWet Rushのツボにハマっているのだが、あんまり大好物を食べ続けると飽きてくるので、少し休んだ方がいいのかなとも思ってきた。他にも読みたい&読まなきゃいけない本は無限にあるので、しばし休憩を検討中(とか言いながら、誘惑に負けて、またすぐ読んじゃうかもww)。

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