罪深き愛につつまれて: Colters’ Legacy #1

ホリーは自身の結婚式当日、夫の殺人現場を目撃し、逃げ出した。たどり着いたコロラド州、ロッキー山脈麓の田舎町。降りしきる雪の中、凍死寸残の所を1人のカウボーイ、アダムに助けられ彼の家に連れて行かれる。アダムの家には次男のイーサンと3男ライアンの3人が住んでおり、3兄弟は一瞬でホリーに恋に落ちる。それは3兄弟がずっと待ち望んでいた女性だった。ホリーに強い運命を感じる…3人で一人の女性を愛せる事に。
著:マヤ・バンクス(訳: 浜 カナ子)
- 胸熱度 30%
- 濡れ度 90%
- 泣き度 10%
- 総合評価 50%
前回読んだ3P短編に火が付いて、次は4Pと言う事で(汗)満を持してついにこの本読んでみた。
レビューを書く前に、ネットにいろいろ掲載されている読者レビューを見てみたが、この本が発売されたのが2009年、今から7年前は衝撃だったんだろうね。まだまだエロチカロマンスも確立されて無かっただろうし、読者レビューも好き嫌いがハッキリ別れてる。
そんな中、発売から7年後の今この本を読んだWet Rush、エロにも複数プレイにもスッカリ慣れているので、ド〜ンと来い。まったく問題無しです(笑)。
むしろ好きだ(爆)
色気ムンムンのカウボーイ3人に尽きる事なく、快楽の世界に没頭させられるのいいじゃない。
何んならもっとエロくても良かったかも。美しいロッキー山脈がストーリーに出て来るなら、山脈のパノラマを堪能しながら青姦でもして欲しかったは(爆)。
まぁつまり、エロは良しって事で、ストーリーに目を向けてみるけど、正直な所、私マヤ・バンクスちょっと苦手なのよ。
もちろんすべての本とは言わないけど、どうも彼女の書くストーリーが「夢見る夢子」で、登場人物を美化し過ぎる傾向がない? 角に臭すぎるセリフや行動に、シラケたりするのよ(私のひねくれた性格の問題かも:汗)。
で、この本もその事をちょっと心配してたのだが、それよりももっと気になったのが、話はし折過ぎ。
ストーリーのプロットとしては、面白い要素が沢山あるのに、どうも浅い。ヒロインが目撃した夫の殺人の事、その夫と離婚に至る経緯、サスペンスとしても話は膨らませる事が出来たはず。
4P設定は、それでOK。言い訳はいらない。その上で、「ひと目会ったその時に一目惚れ」というロマンスのお約束も分かるけど、人間って複雑だから、時に相手を傷つけたり、意図しない結果をもたらしたりして、お互いを理解して行くものと思うけど、その中での心の変化や心理をもっと知りたかった。大体「一目惚れ」って後から分かるもので、この出会いが「一目惚れ」だったと確信するまでの心の変化がこの本は一切書かれてないんだな。そう意味では3男のライアンにその要素があったけど、全然浅い。ライアンはイラク帰りで心に傷を負ってるのだが、その事も掘り下げて、ホリーによって、彼の心理がどう変わったのか、どうやって心を癒やしたのか、知りたかったよ。
という分けで、この本の感想は、「おしい!」に尽きる。
ロマンスである以上、人の心理を書けなかったら、ただのエロ本になってしまう。
ひとことの会話で、数ページ、時にそれ以上の心理をコンコンと書き上げる、ペッパー・ウィンターズや、人の心の明と暗をきちんと表現するティファニー・ライスのような作家が好きなWet Rushには、この本は物足りない内容だった。
数冊に伸ばしてダラダラ書けと言わないけど、せめて2冊位にして、他になかなかない斬新な設定と、面白い要素満載のプロットを最大限に活用したストーリーにして欲しかった。
さて、次の「愛とぬくもりにつつまれて」はすでに完読済。こっちも言いたい事いろいろあるので、ちょっと頭整理して、近日中にレビュー書きます。
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