Dark Citadel: Masters of the Shadowlands (2)

カリ(Kari Wagner)は、最近デートを重ねているブック(Buck)に誘われShadowlandsのビギナークラスに参加する事にした。今まで数少ないセックスでいい思いをした事が無かったが、BDSMと聞いて何故か魅力を感じずにはいられない。しかし、ビギナークラス初日、Shadowlandsに足を踏み入れた途端、ブックの様相が激変する。恐怖を感じブックから逃げようとするカリを、その日講師としてBDSMをレクチャーしていたマスターD (Don Sawyer)が救いの手を差し伸べてくれた。
- 胸熱度 70%
- 濡れ度 100%
- 泣き度 30%
- 総合評価 80%
読んでる途中は、これダメかも・・・と思ったりしたが、蓋を開けてみたら、アレまぁいい本じゃない。
ロマンスによくあるパターン、ヒーローが過去に縛られ恋愛出来ない話(いつものアレアレ)。でもさぁ、今回はBDSMが舞台なのでそう簡単には納得できない。
マスターDは 、3年前に妻を交通事故で無くし、それ依頼ずっと悲しみの中にいた。気晴らしにShadowlandsのSubと1夜限りの快楽を楽しんだりしていたが、けして同じSubと2夜を共にする事はなかった。Shadowlandsのオーナー、マスターZの頼みで、ビギナークラスの講師を務める事になったある日、初心者Domに無理やり手錠をかけられ嫌がるカリを見つける。BDSMは同意が基本。嫌がるカリを助け出し、魅力溢れるカリを自分が直接BDSM指導すると決めたマスターD。
で、カリにあんな事や、こんな事、
Your body is mine to play.
とかなんとか言って、ことエロに関しては容赦なくカリを苛めるワケですよ。そのくせ、自分は妻に先立たれ今はまだ他の女性と深い関係なる気はないと、カリを拒否る。
普通の恋愛だったら、まぁ許せるけどね、SubはDomを信頼して、服従するわけでしょ。自分をぶつける相手の気持ちが定まっていなかったら、Subは何を信じで人前で裸になればいいの。2人の関係は1夜限りとマスターDは、カリに忠告しておきならが、他のマスターがカリに興味を占めすと独占欲をむき出しにしたり、1夜どころか、3夜も共にして、しかもエロへの要望はどんどんエスカレートしてくる(このシリーズお約束、エロさは半端ない)。
読んでて、マスターDがカリにする仕打ちに胸がモヤモヤしたり、怒りを覚えたりするの。
このあたりまでは、この本評価低いな、総合評価20%か30%でいいかなとか思いながらシラーとした気持ちで読み進めていたら、あんれまぁ~。
マスターDに思いをよせるカリが切ない。切ない。終盤には、さすがにカリも、「お前、言ってる事とやってる事が正反対なんだよぉ」とキレる。そんなマスターDも、胸熱じゃね~か。
Having her there, fitting against him as if she’d been designed for him…his world seemed to jerk and spin and suddenly right itself. Yeah, she was his.
“You’re mine, Kari,” he growled. “My sub. My woman. Mine.”
直線的な恋愛もいいけど、読者をエモーショナルな気分にさせるには、どっかでわだかまりを作らないとならない。胸にモヤモヤを感じならが読んだからこそ、最後にモヤモヤが晴れた時の快感がたまらん。
チェリス・シンクレアも読者のそんな思いを想定したのか、前作の1部に比べ、エロ以外のプロットで、カリのアパートでマスターDに手料理をふるまうシーンなんかも盛り込んで、体以上に心の繋がりも重視した、2人の関係の地盤固めにしたりと、読み終わったら、ニヤニヤが止まらん本だった。
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