Destroyed

2015年6月13日 | バニラ, 泣き本, 洋書, 総合評価 3 | コメント0件

Destroyed

名目スポーツジムの裏で本当はファイトクラブを経営するフォックス(Obsidian Fox)はある日、クラブに訪れたハゼル(Hazel Hunter)に出会う。2人は否定できない思いに惹かれあっていくのだが、お互いが抱える問題はあまりにも大きかった。

  • 胸熱度 60% 60%
  • 濡れ度 30% 30%
  • 泣き度 80% 80%
  • 総合評価 60% 60%

この本を読んでみようと思った理由が2つ。ひとつはいい加減溜まりにたまった積本をなんとかせな~ということで、一冊読み切りのこの本から潰してみることにした。そしてもう一つの理由が、最近バニラな純愛ストーリーが続いていたので、思いっきりダークな本を読みたくなった。

Wet Rushの中で、ダークロマンスと言えばペッパー・ウィンターズと言うくらい、底抜けに黒くで重いストーリーを書く作家というイメージが強いのだが、彼女の特徴うっかり忘れてたかも。というのも、ペッパー・ウィンターズの本は確かに超ダークなのだが、ダーク過ぎるとかえってロマンスの清さが浮き彫りになる。なんつ~か、当たり一面黒の中にある白い1点は余計に目立つみたいな。

そういう訳で、この本もダーク過ぎる設定の中、男女のロマンスはなんとも純粋でございます。

あらためてストーリーを振り返ってみると、男女が出会い一目ぼれして、お互いが結ばれていく過程で、誰かに関係を邪魔されたり、外からの障害がある訳でもまったくない。ものすごくストレートなロマンス。しかし2人はものすごく複雑。

ロシア人として生まれたフォックス。幼い頃に親元から誘拐されあらゆる惨い、残虐するぎる虐待を受けながら、殺し屋として調教されていた。幼い頃からの虐待で、人としてのすべての感情を壊され、命令に従うだけの奴隷だったフォックス。大人になり精神が崩壊された事で、一時視力を失いその後、奴隷から解放された彼は、オーストラリアに渡りファイトクラブを経営していた。しかし、すべての感情が暴力に結びついているフォックスは、人に触れられると、フラッシュバックを起こし、殺人鬼になってしまう多重人格障害者。また、恋愛も童貞でもないものの、未経験に等しく、キスさえてしたことがない。

一方ハゼルは、里親を転々とし大人になり人生に投げやりだった若い頃、半ばレイプで子供を妊娠してしまい若くしてシングルマザーとなる。女1人で子供を育てるのは大変だが、一方で娘のクレア(Clare)を通して、ハゼル自身成長し、強くなっていった。しかしクレアが8歳の時、喘息と診断されその後実は小児癌という事が分り、しかしすでに手遅れ。クレアの余命は短く、ハゼルは娘との残された時間を過ごしていた。

フォックスはハゼルに感じるよく分からない思いと欲望から20万ドルで1ヶ月自分と過ごしてほしいとハゼルに取引を持ちかける。ハゼルは娘の癌治療にお金を必要としていた事、彼女自身フォックスに魅力を感じたことから、取引に応じることにした。

ところが、ちょっと触れただけで、殺人鬼になってしまうフォックス。ハゼルも何度なく危ない目に会う。ハゼルはそんな危険なフォックスに娘の存在を隠す事にした。

一緒にいたい、触れたい、キスしたい、セックスしたい、でも出来ない。そんなジレンマと、過去のトラウマ、なんつ~か、もどかしいような、悲しいような。でもフォックスの殺人鬼としての獰猛性の裏にある彼のジレンマを読むたびに切なさも感じたりする。たしかに、殺人鬼多重人格者だけど、本来のフォックスはいい男。

I didn’t believe her when she said she was complicated.
She didn’t believe me when I said I had secrets.
I didn’t understand the truth, even when she let me glimpse behind her mask.
She didn’t understand that I couldn’t live with the consequences.
I thought she was a saint.
She thought I was a sinner.
Too bad we didn’t try to find the truth.
We both paid the price.
We destroyed each other.

その後ハゼルに娘がいる事をしったフォックスは、娘クレアの純粋さに変化をみせていく。このストーリーの鍵となる登場人物がクレア。この子なくして、2人のロマンスは成り立たない。フォックス、ハゼルに一目ぼれしたけど、人の愛し方をしらなかった。そんな彼がクレアから愛を教わり、やっとハゼルを愛することが出来るようになる。

でもね、ペッパー・ウィンターズやっぱりニクイって思うのが、素直にフォックスとハゼルを幸せにはさせない。クレアは小児癌で余命短い設定。やっと幸せを手に入れたと思ったフォックス、しかしクレアを失なって、やっぱり自分は幸せとは無縁なんじゃないかと、やっと克服しつつあった障害がまた逆戻り・・・になりつつあったが、最後はフォックス男を見せる。

後、クレアが死んだ後のハゼル、このあたりは涙なくしては読めない。

と、ダークの中に純愛を書くペッパー・ウィンターズ、やっぱりいいね、好きだわぁ~。

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