Dirty Filthy Rich Men: Dirty Duet (1)

大学でのロスト・バージン、それはサブリナ(Sabrina Lind)にとって、刹那くも苦い経験だった。あれから10年の月日が過ぎたが、忘れる事の出来ない男性、ドノヴァン(Donovan Kincaid)、ロスト・バージンの相手との再会 、10年の沈黙が破られて行く。
- 胸熱度 100%
- 濡れ度 100%
- 泣き度 50%
- 総合評価 90%
久々のローレリン・ペイジです。彼女の作品を最初に読んだのが、2014年、Fixedシリーズ。その時は、何気に読み始めたローレリン・ペイジだが思いのほか面白くてドはまりしたのを思い出す。
この本は、今年2017年のGoodreadベストロマンス20に選ばれた本。ローレリン・ペイジで更にロマンス20ならハズレは無いだろうと思い読み始める事に。
で、いやぁ~面白かったよ。
前回のFixedシリーズは心理ゲームをプロットにしたロマンスだったが、心理ゲームを題材にするだけあって、ローレリン・ペイジって心理が書ける作家なのよ。
今回も心理描写が光ってた。その影響で読者がよく人物像を理解出来るから、登場人物が発する言葉にも重みが増すの。
だからヒーローのドノヴァンが発する一語一句に読んでて熱くなったり冷たくなったり、キリキリさせられっぱなしだったは。
ストーリー自体は、ある意味コンテンポラリーロマンスお約束のベタな設定で、ドノヴァンがクリスチャン・グレーでもギデオン・クロスまったく違和感無い程に、大金持ちのCEO。元々親が金持ちで、サラブレットのドノヴァンは、その流れでハーバード大学卒。ドノヴァンには数歳年下の幼馴染ワトソン(Weston)がいて、2人でマーケティング会社を経営してる。
そして、ドノヴァンは過去の辛い経験がトラウマとなり、心に壁を作り人と交わる事を拒んでいて…。
でたでた、トラウマヒーローww。
ね、どっかにありそうな設定でしょ。
サブリナは貧しい家庭に生まれながらも、優秀な成績で奨学金を得て、ハーバード大に進みドノヴァンとワトソンに出会う。そこでドノヴァンに処女を捧げるが、空振りに終わり、その後10年後再会して〜からの~ドノヴァンリベンジに挑戦。
って、この本に関して言うと登場人物の設定はどうでもいいような気がする。ドノヴァンがCEOだろうが、バイカーMCだろうが、はたまたカーボーイだろうが、さほど話に影響はなく、なんと言ってもこの本の面白さは、ローレリン・ペイジがサブリナの目線を通して語るセンスある心理描写と、キリキリさせられるドノヴァンの態度。
ドノヴァン、サブリナの事本当は好きなくせにそれを認めない。エロの最中は自制心がぶっ飛んで、サブリナはもとより読者もトロトロにさせる熱〜い言葉を言うくせに、いざエロが終わると、サブリナを突き放そうと、ヒドイ態度や暴言をはいて、ドノヴァン最強の「ツンデレろくでなし野郎」です。
さらに言わせてもらうと、ツンデレろくでなし野郎は、Domっけ満載の俺様で、「ツンデレろくでなし俺様野郎」。
でもそれがさぁ…憎たらしい程に「ツンデレろくでなし俺様野郎」の罠にまんまとハマったWet Rush。
もしローレリン・ペイジの書く心理描写が乏しいものなら、この「ツンろく様野郎(長いので短縮)」を魅力的に捉える事は難しかったかもしれない。でも、サブリナが良くドノヴァンを観察してて、彼の心理も手に取るように分かるし、そんな「ツンろく様野郎」に一喜一憂するサブリナにも共感出来るし、熱くて、切ないキリキリ感満載のロマンスでした。
そして、最後に「ツンろく様野郎」のエロが半端ないインテンスだった事も付け足しておきます。
“I could have anyone’s mouth on me” he said, his breaths short. “Any woman I want. Money can buy the prettiest lips, the most famous mouths, the deepest throats. And still, for ten years, all I can think about is your mouth. It’s only yours I want. Why can’t I get over your goddamn lips? I’m going to come. Swallow it all, Sabrina.”
全部で2部構成のこのストーリー、次はこの「ツンろく様野郎」目線で書かれてるらしい。
きっとヤバイに違いない。
k72yxb