恋の予感に身を焦がして: Dream Man (1)

フリーで編集業を営むグエン(Gwendolyin Kidd)は、1年半前にバーで知り合った名も知らぬ男性「ミステリーメン」が夜こっそり自宅を訪れて来るのを密かに楽しんでいた。グエンの妹ジンジャー(Ginger Kidd)はいつもトラブルメーカー、そんな妹が大きな事件を起こした事を知る。その妹の事件がきっかけで、「ミステリーメン」がセキュリティー業を営む元軍人で、妹の事件に関連し、グエンを監視していた、ホーク(Cabe “Hawk” Delgado)と知り、これを気にグエンとホークの関係が一気に近くなっていった。
- 胸熱度 60%
- 濡れ度 60%
- 泣き度 10%
- 総合評価 50%
全部で4部作のこのシリーズ、ながらく積本で眠っていた所、ここ最近1部が訳本になり、皆さんのレビューが結構良い。ならば私も! という事で、やっとの事ページを開いてみた。
ここ最近、虐待モノやBDSM系などかなり濃〜いシリーズを続けて読んでいたので、ちょっと気分を変えてバニラ系を読みたくなったのも理由。
うん、前評判通り、面白かった。
ヒロインの話方が超今時で、ゲラゲラ笑いながら読んだよ。
ヒロインがヤケになると、クッキー生地を生で食べるシーンが出て来るのだが、アメリカでヤケ食いと言えばこのクッキー生地かアイスクリームっていう位定番。
クッキー生地かアイスクリームってことで、ハーゲンダッツにクッキー生地入りアイスがある位。
もちろんハーゲンダッツは、クッキー生地に生卵は使わず、小麦粉もそのまま食べられるよう加工はしてるだろうけど、ペースト状のクッキーはけっこうイケる。
なんかコメディー映画のナレーションみたいっていうのかな、畳み掛けるような口調に、造語、形容詞炸裂で、接続詞が少なく、口語っぽくて。比較的長いページの本なのだが、サラっと読める。だからページ数の割に読むスピードが早い。
訳本でこのチャラい英語がどんな風に訳されてるのか気になった。
後、登場人物が良かったね。
ヒロインや彼女の友人達の超今時「姉ちゃん」感、傲慢俺様ヒーローに、今後のシリーズでヒーローとなるだろうイケメン脇役。ヒロインの妹の痛さっぷり。キャラが光ってる。
ただ、多すぎ? 読んでて「あんた誰?」となってページを戻って確認する事もしばしば。今後シリーズを続けるために必要な登場人物なのか、この一冊にいろんな人物が詰まってる。
読んでて読者の記憶に残る、重要なプロットに登場するキャラなら、後になっても忘れる事はないが、名前を知らなくてもストーリーに影響がないような人物にまで文字を割く必要があったのかな?
その流れで言うと、多彩な登場人物とそのキャラは面白かったが、人物像に話が集中して、このストーリー本来のプロットが希薄のようにも感じた。
ヒロインの妹が起こした事件がきっかけで、ヒロイン&ヒーローのロマンスが発展するのだが、その妹の事件の全容がよく見えてこなかった。「どんな事件」だったのかは分かったけど、もっと具体性が欲しかったし、ヒーローの過去ももっと掘り下げて欲しかったよね。
過去に妻と娘を亡くしたヒーロー、その後長い間、自分に壁を作りずっと孤独に身を置いていた。ヒロイングエンに出会うまでは、体を重ねる女性はいたが、心開く事はなかった。
この当たりもっと読みたかったよぉ〜。
回想シーンでも良いし、やるだけ女とヒロインのバトルとかもさww。
多くを求めすぎかね?
そこまで盛り込んだら、もっとページ数が長くなるだろうし…。
登場人物のキャラ設定と、今時なキャッチー感、サクサク読めるスピード感、でもその分希薄なプロットがアンバランスな感じもするけど、単純に「サラっと読める」本を求めるならオススメかな。
この「サラっと読める」感、なんだかんだでハマってる。他に読みたい本が有りすぎるけど、続きのシリーズしばらく読んでみようと思ってる。
日本語版Dream Manシリーズ / 訳:高里 ひろ (Amazon Japan)
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