悲しみの夜の向こう: Rosemary Beach (1)

19歳のブレア(Blaire Wynn)は癌と戦う母を1人3年間看病したが、報われることなく母は死を迎えてしまった。母の死後、膨れ上がっていた医療費を清算、彼女に残ったのは一台の古い車とわずかなお金のみ。新たに生活を立て直すのに、5年前、家を出て行った、たった1人の家族、ブレアの父に連絡をとり、しばらくの間、家に滞在させてほしいと助けを求める。そしてブレアは希望を胸にフロリダ州ローズマリービーチに向かうが、フロリダで待っていたのは厳しい現実だった。なんとか父の再婚相手の息子、ラッシュ(Rush Finlay)の家に期限付きで滞在させてもらうことになるのだが
- 胸熱度 70%
- 濡れ度 50%
- 泣き度 85%
- 総合評価 80%
どんなストーリーなのか、あまりあらすじを確認せずに読み始めたのだが、面白かった&泣けるストーリー。泣きポイントが日本人の心理に作用する泣きポイントというか、「おしんシンドローム」って言うんですかね・・・。
ラッシュは、いわばセレブの息子。ローズマリービーチに屋敷を構え、毎晩のようにパティーと女に明け暮れいた。一方ブレアは、16歳から1人で生活と母の病をささえ、貧乏で厳しい生活を送っていた。ラッシュの生活は、ブレアの常識を越え、彼女は1人セレブの中で孤独や劣等感、辛い仕打ちを受ける。それでもブレアのイノセントでけなげな所、前向きにな所に涙が止まらない。そんな「おしんシンドローム」にまんまとハマったWet Rushは、ティッシュ片手に号泣しながら、鼻を詰まらせ、頭痛にクラクラしながら読みました。
そして、そんなブレアを目の当たりにしたラッシュは、彼女の事が気になってしょうがない。
しかし、ラッシュは決してブレアに打ち明ける事の出来ない5年前に家を出ていったブレアの父に関係す秘密を抱えていた。
このストーリーの登場人物、特にラッシュの家族構成は、日本ではあまり無い複雑な家族構成です(アメリカではある意味普通だが)。ストーリーの中ではラッシュの母とブレアの父は夫婦です。つまりラッシュはブレアの義理の兄にあたりますが、戸籍というシステムがないアメリカでは、親同市が結婚していても、血縁関係にない子供達は、恋愛も自由。
ラッシュは、ブレアに打ち明けられない秘密を抱えながらも、彼女の魅力に負け恋をする。ブレアも一見金持ちセレブの道楽息子というイメージとはまったく違う彼の本当の魅力にハマり、恋をする。しかし、打ち明けられない秘密が明るみになった時、2人の関係は辛い結末を迎えるのでした。
この本の英語、とても簡単で、読みやすいです。レビューの中に、作家が書く文章にしては幼稚すぎるなど批判的な声もあるようですが、分かりやすい表現という意味では、優れていると思います。洋書に挑戦したい人におすすめです。
そして、2部のNever Too Farでは、ラッシュは彼の家族の問題に苦しみながらも、ブレアとの幸せを取り戻すべく、奮闘する(実はもう2部は完読済。現在3部を読書中。2部のレビューはまた後日掲載します)。
“I don’t know what this is that is going on between us but from the moment I laid eyes on you I knew you were going to change my world. I was terrified. The more I watched you the more you drew me in. I couldn’t get close enough.”

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