Falling Into You: Falling (1)

16歳、高校生のネリー(Nelly Hawthore)と隣の家に住むケイル(Kyle Calloway)は生まれも数か月しか違わない幼馴染。物心ついた時からいつも一緒。ネリーとケイトの友情が初恋へ変わるのは、ごく自然なことだった。ケイルは、高校のアメフトチームのエース、将来はプロにも行けるのではと期待された青年だったが、彼が大学進学をまじかに控えた18歳の時、悲劇が襲う。そしてそこからネリーの苦悩が始まった。
- 胸熱度 60%
- 濡れ度 60%
- 泣き度 40%
- 総合評価 50%
毎回、BDSMの長編ものを読むんだ後は、真逆のストーリーが読みたくなる。前回は、ダークなBDSMの後に、カラっとしてて、笑えるスタイリッシュなロマンスを読んで、今回のヘビーなBDSMの後は、純愛ものが読みたくなった流でこの本を読んでみた。
ストーリーの前半はまさしく、純愛の世界100%。幼馴染に恋をして、付き合い始めるネリーとケイル。ファーストキスもファーストセックスも、とにかく可愛い。バレンタインデーの夜、2人が迎えるロストバージン。どうしていいか分からないながらも、男性としてリードしなくてはと、奮闘するケイル。喉から心臓が飛び出すのではないかと思えるほど緊張するネリー。読んでるこちらまで、ドキドキして2人の純粋な感情がバシバシ伝わってくる。
しかし、2人が大学進学をまじかにひかえたある日、ケイルは、事故で亡くなってしまう(ケイルが亡くなることは出版元のあらすじに明記されてます。ネタバレじゃないですよぉ~:笑)ケイルは、ネリーを庇い、彼女の目の前で息を引き取った。事故の痛みに苦しみ、意識が遠のくケイルを見守ることしか出来なかったネリー。
今までのネリーが嘘のように彼女の心は、壊れてしまう。数年後、彼女は心癒ぬまま、ニューヨークで一人暮らしを始め、偶然ケイルの兄コルトン(Colton Calloway)に再開し、2人の関係がぐっと近くなっていくのだが、ネリーの壊れた心や体は少しずつ癒されていく。
このストーリーの好きな所は、ネリーもケイルもコルトンもとにかく素直。他のロマンスにあるように、相手への思いをごまかすような駆け引きがない。初めてのセックスの後は、すぐに
“Falling into you”
と認め合い。間髪入れずに、
“I Love You”
と相手への思いも認める。
また、コルトンも実家を離れニューヨークに来たのには訳があり、ニューヨークに来てからもアンダーグランウドな世界で、苦労を重ねた過去があった。そんなコルトンも実は、ネリーの存在が癒しになっていたのだと思う。また、ケイルという共通の悲しみを抱えている2人が、お互いを必要とするのも自然なこと。
“We understand each other, Nelly. We’ve both lost someone we love. We both have scars and regrets and anger. We can do this together.”
コルトンは、ニューヨークのアンダーグランウドな世界を渡り歩いたワル(元)で、2人のセックスでは、若干アルファぶりを発揮しますが、おおむねは、見た目の風貌と違い、とにかくスイート(個人的には、もうちょいアルファ度が欲しい所ですが)。
また、ネリーとコルトンは、ストリートミュージシャンという一面も持ち合わせている。ストーリーに出てくる相手への思いをつづった歌詞に、なんとも胸がキュンとなった。単純な1人の主人公とヒロインのロマンス留まらない、けどトロトロに溶ける、甘さ全開ストーリー。

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