Fixed on You: Fixed (1)

アレイナ(Alayna Wither)は大学卒業を目前に控えながら、クラブのバーテンダーとして働いていた。クラブの新しいオーナーは若くして事業に成功したハドソン(Hudson Pierce)。アレイナは初めてハドソンに会ったその日から彼の危険な雰囲気に心では近づくと危ないと察しながらも、何故か体では彼の魅力に強烈に引きつけられていった。そんなハドソンから彼の家族の目を背けるために、彼女のふりをして欲しいと頼まれ、アレイナは仕方なく引き受けることとなるのだが。
- 胸熱度 80%
- 濡れ度 80%
- 泣き度 40%
- 総合評価 80%
全部で3部作となるこのFixedシリーズ、何時か読もうと「読みたいリスト」の中に入れて本なのだが、Amazon U.S.で3冊まとめて99セントというセールを発見し(すでにセールは終了)、3冊で99セントなら買わなきゃ損!と食いついてみた。あまり期待しないで読んでみたのだが、意外や意外、面白かった!! 99セントでこの内容なら文句無し。
作者のローレリン・ペイジは、かなりフィフティー・シェイズを意識しているようで、少しフィフティー・シェイズの比喩が盛り込まれていたりするのだが、Wet Rushはシルヴィア・デイCrossfireがかぶってしかたがなかった。ハドゾン、ギデオンに名前を変えてもまったく違和感がない位(笑)。ニューヨークを舞台にインダストリービジネスで成功した大富豪ハドゾン(ギテオンと同じ)、実際にBDSM道具は使わないまでも、かなりのDomという所まで、ギデオンと同じ。キャラがかぶり過ぎ(笑)
とは言え、Crossfireは、ヒーローとヒロインが被害者という設定で過去を2人で克服していくのに対し、この本はヒーローとヒロインが加害者として過去から足を洗っていくストーリー。
アレイナは男性に依存の傾向があり、元カレをストーキングして、接触禁止命令を裁判所から受けている過去があり、精神セラピーを受けていた。一方ハドソンは、本人にまったくその気がないながらも、ゲーム感覚で女性を落す事に執着した過去があった。2人が加害者になった経緯には、それ以前に被害者だったという土台があるのだが、男性に依存傾向のあるアレイナと女性を依存させることに快感を覚えるハドソン。彼氏・彼女のふりをする偽りの関係からのスタートだったが、お互いが惹かれ会ったのは自然なこと。
さらにこの本の面白かった所は、心理描写をとても丁寧に作者は描いていること。ストーリー自体は、アレイナのPOVで書かれているのだが、心理描写が深くて、読み応えあり。アレイナの洞察力や、苦笑させれる人間臭い感情、POVがないハドゾンの詳細な表情の変化、ローレリン・ペイジの文章力、かなり気にりました。
そして、エロさも文句なし(相当エロい、Crossfire並み)。Crossfireファンなら絶対読むべき。でも・・・Crossfireの2番煎じ感が拭えないので、総合評価4星で。
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