Fourth Debt: Indebted (5)

ジェスロ・ホーク(Jethro Hawk)の父への裏切りがばれ、ジェスロは実の父に射殺されてしまった。彼だけを頼りに殺さる運命と知りながらホーク家に戻ったニラ・ウィバァー(Nila Weaver)は敵の中に一人取り残されてしまう。そして未遂に終わった3度目の負債回収儀式の再現と、4度目、そして最後の5度目に一人で立ち向なければならず、絶対絶命の状態だった。
- 胸熱度 60%
- 濡れ度 30%
- 泣き度 100%
- 総合評価 80%
Indebtedシリーズ5部目。
いままでこのシリーズ面白い・面白いと豪語してきて、「はて、本当に面白いの?」「こんな長いシリーズ、しかも同じヒーローとヒロインで、絶対どっかで怠くなるでしょう」とかなりヨコシマ目線で厳しく評価しようと襟を正してみたこの本。得にエロも少ないし、ヒーローとヒロインが離れてる状況が続くので、読んでて飽きる可能性大とか思ったけどさ、飽きるどころか、号泣ですよ。
でねぇ…悔しいけど、やっぱり面白い。
前回の4部でニラを救い出すジェスロの決意は結果として父への裏切りを意味し、それが父にバレた事で射殺されてしまった。またその巻き添えとして弟(次男)も一緒に射殺された。
ホーク家は、祖母(ホーク家の真のドン・冷血婆)、父、ジェスロを含む3人の兄弟と妹1人、このメンバーを軸に話が進むのだが、ジェスロと次男が殺さえた事で、三男がニラを所有する事となる。しかしこの三男、ニラを拷問の上レイプし、殺害する事に異常な興奮を覚える、父の写しさながらにとんでもない冷血サド野郎。ジェスロの妹はシリーズ当初ニラとの距離を保っていたが、兄が死んだ事で手のひらを返したようにニラに攻撃的になっていた。
しかしそれには裏があり、父を含めすべての人がジェスロと次男は死んだと思い込む中、妹や仲間の密かな助けにより、なんとか一命を取り留め、父の目を盗んでロンドンの病院に運ばれていた。
妹は、表面的にニラに冷たく当たりながらも、本心は兄に変わりニラを助けるために父からの信頼を得る必要があり、ポーカーフェイスを保っていた。
1部あたりでもジェスロはものすごい冷血男なのだが、妹も同じく表面的な冷血っぷりは、まぁビッチ。これはホーク家で自分を守るための唯一の方法。とロジックは分かっていても、読んでて相当心苦しかったよ。
しかし妹の努力虚しく、父と三男の暴走は勢いをまし、ますますニラは追い詰められていく。
遥か昔、中世ヨーロッパでは多くの拷問器具が開発された。「スコールド・ブライドル」「拷問椅子」「苦悩の梨」「ブレスト・リッパー」「異端者のフォーク」「ファラリスの雄牛」そして「ギロチン」。これらの拷問器具を使い、ニラを虐待していく父と三男。最後はギロチンでニラを殺すというシナリオはすでに出来上がっていた。
ギロチン以外、なんだそれ? まったく知識のなかったWet Rush、随分Googleのお世話になったのだが、検索結果に表示されてる画像がおぞましくて、余計に怖さが募った(笑)
以前レビューで、キラキラ華やかなヒストリカルではなく、ドロドロおぞましいヒストリカルを上手く用いてペッパー・ウィンターズはコンテポラリーながらもクラシック感満載の本を書いていると評価したが、これらの拷問器具もよくリサーチして書かれるね。以前の本では、ムチ打ち、魔女狩りなんかも話に出てきて、華やかな世界の裏にこういう世界もあった事を証明してる。
しかもねぇ〜このあたり、泣いた泣いた。
この頃になると、ニラは妹からジェスロはロンドンの病院で生きてるという事を聞かせれていて、ジェスロと携帯のメールでこっそり会話しているのだが、ジェスロはニラを心配して状況を確認するものの、ニラは入院療養中のジェスロに心配はかけられないと、本当は身体も精神も崩壊するほどの虐待を受けているにも関わらず「自分は元気にやってる」と嘘をつく。
くぁぁ〜。切ない。
耐えられない現実から自分を逃避させるように、半ば夢を見るようにジェスロに愛を語るニラのメールに涙腺崩壊。鼻詰まりとティッシュの山からの酸欠による頭痛、でも読むの辞められないほどにとてつもなく良かった。
その後、ジェスロは、妹からニラが拷問を受けている事実を聞かされ、傷も癒えぬまま、ニラを救うべくホーク家に戻る。
そして次の最終部でいよいよジェスロは父と三男を殺害するクライマックスなのかなと、期待アゲアゲでございます。
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