背徳のディザイア: House Of Pleasure (2)

伯爵家の次男アンソニーは、自分の置かれてる状況を変えたいと思って居た矢先、引きこもりの未亡人マルグリットに出会い少しずつ2人は親しくなっていく。しかしマルグリットも亡き夫のしがらみから抜けだせない。お互いが抱える過去の秘密を相手に告白する勇気が持てず、最後の一步を踏み出す事が出来なかった。
著:ケイト・ピアース(訳: 五十嵐 ともこ)
- 胸熱度 10%
- 濡れ度 30%
- 泣き度 10%
- 総合評価 30%
前回、1部を読んで、2部、3部を何故かすっ飛ばし、これは悦びの館(House Of Pleasure)シリーズ4部目。
翻訳ロマンス界隈から寂しい話題しか聞こえない昨今、応援したい思いも強いし、あまりネガティブな事は言いたくないのだが…。
Wet Rushこの本駄目だった。
とにかく、ヒーロー&ヒロインのウジウジっぷりに読んでてイライラが止まらない。
まず、ロマンスだからヒーローとヒロインが出会ったすぐに一目惚れっていう暗黙の大前提は分かるけど、もう少しお互いの印象を語っても良かったと思うし、相手をお互いがどう思ってるのか具体性がないままに、「好き」が独り歩きして、完全に読者は置いてきぼりイライラ。
ヒーロー&ヒロインを含む登場人物の会話も、とにかく回りくどくて、いっこうに確信をつかない。個々の場面での不完全な会話にイライラ。
ヒーロー&ヒロインのネガティブっぷり、「どうせ俺(私)なんて〜」と、ひねくれまくりにイライラ。
悪い方ばかりに勝手に自己解釈して、さらにネガティブになるヒーロー&ヒロインにイライラ。
分かるよ、恋するとネガティブな方向に考えを持って行きがちな人の心理も不安も。でもさぁ、それならその不安をもっと文章で表現して読者を刹那い思いにさせるとかさ、方法はあるだろうに…。
そして、エロもね…本のあらすじに「真の情熱を貪欲に求めあうエロティックロマンス」ってWet Rushが飛びつきそうな期待大のフレーズ書いてあるけど、はっきり申しまして読んでて「カラッカラ」の乾燥だったよ。
大体にして、エロなんて「アレをアソコに入れて動かす」極論ただそれだけの行為なワケだから、それをヒーロー&ヒロインの成り行きから始まり、色々なプロットを交えて、どう肉つけするか、読者の妄想を最大限に刺激するのかが、エロチカ作家の腕の見せ所でしょ。
それがさぁ…この本ではシットリ濡れるエロは全く経験出来ず。
Wet Rushのエロに求める期待度が高すぎるのも分かる。これでもエロチカロマンス読み漁ってるわけだし。それにこの前に読んだ本が、ティファニー・ライスのThe Redだからね。あの堕落的かつ情熱的で、過去に類を見ないほどに頭がボーっとすほどのどエロい本を読んでしまったら、この本のエロなんて「ままごと」にしか見えない。
そう言えば前回の1部も、ティファニー・ライス読んでる合間に読んだだっけ。どうやらこの作家さんは私の中で、ティファニー・ライスと比べられる運命にあるらしい。
壁投げ本寸前だったけど、後半ストーリーに若干のリズムがあったから、かろうじて最後まで読めた事と翻訳本は大切にしたいので、総合評価30%にしときます。
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