Je Suis à Toi: Monsters in the Dark (3.5)

テス(Tess Snow)とQ(Quincy Mercer)が結婚してから3年の歳月が経とうとしていた。ここ最近何か悩み事を抱えてるいるようなQ。彼の様子が気になるテスは、間近にせまるQの誕生日にサプライズで旅行を計画する。
- 胸熱度 100%
- 濡れ度 100%
- 泣き度 60%
- 総合評価 90%
ダークロマンスと言えばペッパー・ウィンターズと言うくらい、エグいロマンスにすっかりハマったMonsters in the Darkシリーズ、最近3.5部なる続編が出版されたので、早速読んでみた。
とにかく、1〜3部のエグさハンパなくて(レビューはこちら)、あまりのエグさに具合が悪くなった人がいたとかいないとか。一応BDSMなのだが、基本サドとマゾの話。しかもそのダークっぷりと言ったら、このブログで数百にのぼるレビューを書いてるがぐんを抜いてダントツ。
好き嫌いが分かれる作家だと思うけど私は好きだ。ストーリー1面ダークすぎる中に描かれるロマンスは、そこに愛があるだけでピュアさが引き立ち、一見卑劣な行為もヒーローとヒロインがそれを望むなられっきとした純愛。
Qは今でもずっと自分に悩みを抱えている。サドとしてモンスターである自分は、テスに愛される資格がない。本来なら愛する妻を愛おしむべきが、痛めつけられずにはいられない自分に劣等感は消える事がなかった。そんな中最近自分の心の変化に戸惑うQ。結婚当初は全く考えもしなかったが、妻のテスと幸せな日々を過ごすにつれ、子供が欲しいと思うになっていった。テスの避妊を彼女に内緒で無効にして2ヶ月が経つが、彼女に妊娠の兆しが無いのは、BDSMで彼女を傷つけてばかりいるからだとさえ思い、サドの自分に父になる資格などないと思っていた。
テスに事前に相談することなく勝手に彼女の避妊を取りやめたり、サドだから妊娠させてあげらないと思うそのロジックに「おい!なんだそれ‼︎」とツッコミ入れてみるが、DomだからSubのテスの全てを所有してると考えるらしい。あと、テスを愛してるのにより痛め付けたい、けど妊娠させたいという矛盾と焦りが、よく描けてるなぁ〜と感心したよ。
私がペッパー・ウィンターズを好きだと思う理由に、心理描写がとても丁寧に描かれる所もある。よくまあこんなに感情を表現する単語があるもんだと感心するほど。1つの会話の後にその心理描写が詳細に描かれていて、時にページをまたいで延々続く所もある。「Qとテス何の話してたんだっけ?」とページを数ページ戻って会話の内容を再確認しないと、内容を忘れてる所もあったりして。
だからかは分からんが、一回のエロシーンが長いこと(笑)。エロシーンの中に葛藤や劣等感、願望、後悔、もちろんオーガズムもと、色んな感情が盛り込まれてて、ただのエロシーンに終わらず深みがある。
心理描写をチョロっとしか書かない(書けない)シケた作家も他にいるよね(あえて作家名は出さないが…色の名前…)。に比べると、本当にペッパー・ウィンターズはペッパー・ウィンターズ作家だなと思うは。
所で、サディストが自分に劣等感を覚えるのは、わりと共通の悩みのようね。別のBDSMストーリーThe Original Sinnersシリーズでヒーローは神父として神に身を捧げ、その劣等感と折り合いをつけてるけど、このシリーズのサドヒーローは、性奴隷として被害を受けた女性を救い出し、リハビリを助ける事業に取り組んでいる。
この本は、悩めるQをテスは、「私はマゾでそれは望むんだから全てOK、もっと痛めつけて〜〜」と、説得するという話。2人にとってこのサド&マゾの関係が普通で、両者がそれを望むなら、Nothing to worry about it。そしてQの悩みをよそにテスはめでたく妊娠してこれで本当のハッピーエンド。
さらに別のペッパー・ウィンターズの新しいシリーズ本があるのだが、今年はこのシリーズを読みたいと思っていたので、次もこのまま同じ作家で行きます‼︎
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