運命を告げる恋人: Black Dagger Brotherhood (3)

双子の兄弟フュアリー(Phury)と幼い頃離ればれになってしまった、ザディスト(Zsadist)は、血隷だっか過去を今も引きずり、苦悩していた。そんな中出会った、同じヴァンパイアの貴族の娘ベラ(Bella)。彼女が宿敵レッサーに連れ去られてから、もう6週間が過ぎようとしていた。周りはベラの生存を諦める中、彼女の事が気になるザディストは、今も諦めず彼女の居場所を探していた。
- 胸熱度 100%
- 濡れ度 80%
- 泣き度 100%
- 総合評価 90%
Black Dagger Brotherhoodシリーズ、3部目。
Oh, sweet Virgin in the Fade…Zsadist…Zsadist,
健気過ぎるじゃねーかぁぁぁ~~
アルファ度満載のブラザーズにタダでさえ、メロメロなのに、過去の辛い体験から今でも劣等感、嫌悪感や羞恥心を引きずるザディスト。こういう影のあるヒーローに絶対Wet Rushは弱いと最初から分かっていながら、それでもいとも簡単に、完全に落ちた。
もうヤバすぎる。ザディスト。
ブラザーズの中で一番、残忍、冷血とされるザディスト。一見すると彼の成長物語にも思えるが、人ってそんなに簡単には変われないよね。成長というよりも、本当は、熱~~~いハートを持った男で、でも不器用で。そんなザディストが、自分の過去を清算し、未来に目を向け、彼本来の魅力を素直に表現する方法をベラに恋する事で見い出していく、そんなストーリーではないかと。
そして、ロマンスだけに留まらない、兄弟愛や、仲間を思う気持ち。宿敵レッサーの内部抗争や、新キャラクターの登場。はたまた次のヒーローとヒロインの予習を兼ねたプチドラマ。と、とにかく盛り沢山なストーリー。でも、J・R ウォードすごい所は、ハチャメチャになりそうな構成を、スッキリまとめ、一切飽きを感じさせない。1部を読んだ時に、作者の書く文章の構成バランスがすばらしいとレビューしたが、この本もしかり、退屈感を感じる所が一切ない。J・R ウォードの構成力はピカイチではないかと。
後ね、登場人物の感情を適格に表す文章。ザディストの名台詞と言ってもいい、この言葉、
I thought maybe I could go to Charleston and show up at your front door to give this back and maybe …you might let me in. Or something. I was worried that another male would court you, so I’ve been trying to go as fast as I could, I mean, I figured may be if I could read, and if I took a little better care of myself, and if I tried to stop being such a mean-ass motherfucker…” he shook his head. “But don’t misunderstand. It’s not like I expected you to be happy to see me. I was just… you know, hoping… coffee. Tea. Chance to talk. Or some shit. Friend, maybe. except if you had a male, he wouldn’t allow that. So, yeah, that’s why I’ve been hurrying.”
文章としては、言葉が途切れ途切れで、滅茶苦茶だけど、だからこそ、ザディストのテンパり感とか、不器用さ、健気さがビジビジ痛いほどに、心に響く。ハンパない。
このシリーズを読み始めた当初は、2015年中にシリーズ読み終えればいいかな・・・くらいの勢いでしたが、この勢いなら春には読み終わりそうなくらい、ハマってます。必ずストーリーの中に次のストーリーを案じさせる内容が盛り込まれているので、次が気になって、とにかく読みだしたら止まらない。

日本語版ブラック・ダガー・ブラザーフッドシリーズ / 訳:安原 和見 (Amazon Japan)
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