Mercy: Mercy (1)

サドマゾヒストのシャーデー(”Sade” Johathon Lee Ashcroft)は突然目の前に会わられた女性メルシー(Mercy)の魅力にサド・マゾ両方の面から惹かれてた。しかしメルシーが突然目の前に現れた理由を知ったシャーデーは、困惑する。そんな中、メルシーからの過去に経験のない提案に翻弄されていくシャーデーだった。
- 胸熱度 80%
- 濡れ度 80%
- 泣き度 20%
- 総合評価 40%
皆さん、お久しぶりでございます。
なんとレビュー1ヶ月ぶりの更新です。
フリーランス業のWet Rushからしたら嬉しい悲鳴ではあるのだが、仕事が猛烈に忙しかった。大きな業務依頼が重なりここ1ヶ月近く休みなし、連日長時間業務。断れる仕事なら良いのだが、長期契約の中の一貫業務だから、断れない。もうここまで忙しいとお金いらないから仕事減らして…もっと読書したい! と気持ちが滅入って来る。
ただただ願うのは、いつもの様にリビングのソファーに寝っ転がって、ゆっくり本読みたい!
そんな事を毎日思いながら過ごしておりました。
で、この本は忙しいながらも1日10分程のペースで1ヶ月かけて読んだ本(途中幾度とない寝落ちと共に)。
この本自体は、2015年に発売された本で、Goodreadでもダーク・エロチカ・ロマンスで必ず紹介されてる。ダークロマンス好きなWet Rushは、ずっと読みたいと思ってたんだよね。
そしてなんと、この作家は男性です。男性が書くBDSMロマンス。作家のルシアン・バネ自身、Domで奥さんがSub。夫婦仲良くBDSM楽しんでるらしい。
男性作家のロマンスなんて読んだ事なかったから、当初は疑いもあったのだが…イヤイヤ…アレだね、ある意味男性の方が恋愛に関して言うと考えてる事が純粋で可愛いのかもしれない。女はもっと色々計算してる。周りを無意識に細かく観察してるし、空気を読んでる。
だから、今まで女性作家のロマンスは、相手の目線や表情、仕草を良く観察していて、相手がどんな思いなのかが一人称でも予想という設定で必ず文章に盛り込まれてるけど、この作家はそれがほとんどないww。いつも自分(ヒーロー)だけ。だからヒロインのメルシーの会話がストーリーに登場すると、「え!? そんな事思ってたの? 前フリ全く無いから分からなかったよ」となる。つまり、男は基本相手の思いなんて察してない。よく耳にする「言ってくれないと分からい」とう男の口癖。「あ、コレか!」と。本当に男は言葉無しでは相手を理解していないんだと、今回男性作家の書く男性目線のロマンスを読んで、激しく納得したよ。
英語の文章も、女性と男性でこんなにも違うのかと、とても興味深かった。
この作家に関して言うと、文章がとても直線的。例えば女性作家特有の、ストーリーがある方向に進む過程で、周りの状況やそれを取り巻く環境も含めて広がりを持たせた文章が書かれているのに対し、今回はそれは無い。点と点が単純な1本線。猪突猛進型。まさに男性が書く文章といった感じ。
後、登場人物のヒーローとヒロインも女性作家と違う特徴があったな。
女性が好むヒロインって、美しいとか可愛いだではない、賢さや強さも重要な要素だと思うが、この作家の描いたヒロインは可愛いちょっと天然ちゃん。やっぱ男はそういう女のが好きなのかな?
またヒーローは、悪の世界に足を置くタトゥーアーティスト、そのゴツい見た目は「The ワル」というらしい設定だが、いやぁ〜私の印象は可愛い。ヒロインにすぐ恋しちゃうし、なんかワンコ要素もあって。
ロマンス好きな女子は、ヒーローに対して体、心共に男らしさを求め過ぎるのかね。実際の男はきっとこの位単純なワンコなのかもしれないとか思えたよ。
で、肝心のストーリーはと言うと、ダークロマンスという割りにはそうでも無かった。
ヒーロー&ヒロイン共に幼少期に辛い経験を経て、それが今でもトラウマとなり、苦しんでいるのだが、その辛い経験を語るシーンは、少ししか登場しないので、具体性は薄い。
ヒーローは幼少期の経験から、サドとマゾ両方を持ち合わせており、暴力・痛み・激しい感情にしか欲情しない。普段は残忍過ぎるサドの面を隠す為にマゾに徹するように努めているが、時に耐えきれない激しさに突き動かされる。
一方ヒロインも同じく幼少期の経験から、恐怖心が人一倍あり、安らぎや癒やしに飢えている。
そんな2人だから、好意をいだいていざエロに〜となっても、お互いの求める欲求が違い過ぎでコトが出来ない。特にヒーローは、ヒロインとの癒やしを求めて、心がポッと暖かくなると、アソコが萎えるという現象が発生。ヒロインと愛し合いたいと強く思えば思うほどに、体がそれを拒むという矛盾に悩まされ、この心と体が相反する自分に苦悩するヒーローの思いは刹那かった。
その他にもなんとなくサスペンスとかもありそうな感じで、今後に期待。というの、なんとなくこの本1冊まるごと序章的な要素が多くて、ラストもクリフハンガーだし、それぞれのプロットにはまだまだ謎が残ってる。で、次の2部からこの本の評価がすごく良いので、期待アゲアゲでございます。
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