ペイシェンス 愛の服従

1851年、ロンドン。過去の傷から愛を遠ざけ、音楽に打ち込む日々を送るペイシェンスは、姉の夫の弟、マシューに出会い彼の魅力に魅了されていく。マシューは、伯爵の息子として育ちながら、卑しい出自が世に知られることとなり、自暴自棄になっていた。2人は、現実から逃避するように溺れ、支配と服従に悦びを覚えていく。
著:リサ・ヴァルデス (訳: 坂本 あおい)
- 胸熱度 10%
- 濡れ度 80%
- 泣き度 10%
- 総合評価 20%
去年、電子出版されていない本を中心に大量入手した積本の中ひとつ。このシリーズの前作パッションが非常に良かったので、期待アゲつつも、この本に関して言うと、実は皆の評判はいまいち。「で、ホントの所どうなの?」と疑問解消もかねて読んでみた。
で、読み終わった感想は…おしいねぇ…。
まず、エロに関して言うと、この本BDSMなのね。で、そんなBDSM、かなり精神面に話がフォーカスされて、そこは新鮮で良かった。
普段BDSMって、ヒーロー&ヒロインは「それが好き」で話が進むから、精神面に話が集中することってあまりないと思うのよ。支配が好きなヒーローと服従するのが好きなヒロイン。そこは「好き」前提だから「何故好きか?」という追求はあまりない。ところが、この本は、ヒロインが「何故服従しなければならないのか?」という疑問も直接ヒーローにぶつけたり、ヒーローも「何故支配するのか」ってBDSMの精神的な定義を掘り下げてヒロインに説明したりしてる。
BDSMのただのエロ、されど実は奥が深い「支配と服従」の複雑さを精神的に掘り下げてるのはとっても読んでて面白かった。
ただ、その半面、ロマンスが中途半端だったかな。
ヒロインは、過去の傷からヒーローを拒むんだけど、その過去の理由がちょっと弱いし、ヒーローがメロメロになるヒロインの魅力が、いまいちWet Rushに届かなかった。
ヒーローが言うほど、ヒロインはそんなに良い女か? と。
ヒーローも、まぁ魅力ある男性だけど、「出来る男」なのか、そうじゃないのかなんとも分かりにくい。
あぁそう、ヒーローをDomにするなら、ヒーローに迷いがあるのは辛いなぁ。ロマンスの場合、読者は登場人物、特にヒーローのキャラに依存するから、中でもBDSMの場合は、支配者であるヒーローは絶対的に完璧じゃないと。
その他のプロットも、604ページと分厚い本の割には、そんなに話あったけ?と思う程にイマイチ中身がない。
ネット上のレビューを読むと、「エロに胸焼けする」と結構あったけど、エロ好きのWet Rushは、BDSMの見た目と本質の違う「支配と服従」の面白さを徹底的に掘り下げて、「どエロ街道」突き進んで、もう落ちる所まで落ちて欲しかったくらい。
なんとなくストーリー全体的に中途半端感が否めない。という事で、評価に迷うが総合評価は20%いうことで。
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