Preppy: The Life & Death of Samuel Clearwater, Part One: King (5)

蝶ネクタイにサスペンダー、タトゥーがトレードマークのサミエル「プレッピー」(Samuel Clearwater, A.K.A Preppy)はある日ヘロイン中毒の黒髪が美しい女性アンドレア「ドレイ」(Andrea Capulet)に出会う。何故か彼女を放っておくことの出来ないプレッピーは、彼女を助けるのだが。
- 胸熱度 100%
- 濡れ度 100%
- 泣き度 80%
- 総合評価 90%
2016年Wet Rushレコメン本で紹介した、極道ロマンスKingシリーズの5部目にあたるプレッピーの回。この本去年暮れに発売されたにも関わらず、短期間で一気に人気を集め、Goodreadsの2016ベストロマンスに最後の駆け込みで選ばれた本。
ずっと読みたいと思っていたのだが、実はこのプレッピーの回のみ3部作。つい最近、最終部が発売されたのを待って、イッキにまとめ読み体制に突入中のWet Rush。
1部と2部のヒーローは、ムショ上がりのタトゥーアーティスト、3部と4部は、そのセクシーさがヨダレもんのJosh Mario Johnが表紙のイメージモデルを努めた、2代目極道バイカー、そして今回のプレッピーは大麻製造販売ディラー。と、どれもこれも法律違反など朝飯前の野郎達を描いた究極に激しくも刹那いロマンス。
実際に、この本の冒頭では、ヒロイン ドレイを守ろうとするプレッピー、銃で人殺して、読者に彼のキャラをご挨拶。
プレッピーは1部から登場していたが、プレッピーな格好(アイビールックやクラシックなスタイルをオシャレに着こなす事)にカラフルなタトゥー、彼独特な一風変わったジョークで周りを笑わせるお笑い担当キャラ、でもふとした時に見せる冷血な影の部分、子供の頃の悲しいトラウマ、少し歪んだ性癖など、かなり複雑なキャラ。でもこのシリーズを通して、その強烈なキャラにファンが多いのも事実。
しかし、実はプレッピー、以前の部で極道バイカーとの抗争が勃発し悲しい結末を迎えるのよ。この本はその数年前の話。
唯一の家族と慕う親友のキング(1部のヒーロー)に実刑が決まったのを受けて、初めたばかりの大麻製造の事やキングの娘の親権の事、彼の刑期が終わるまで守る生活とか、プレッピーは一杯一杯。本来ならヘロイン中毒の女性など助ける余裕などないのだけれど、ドレイの事が気になって仕方がない。
一方ドレイも辛い過去に付け込まれるように、半ば無理やりヘロイン中毒にさせられて、薬付けの日々に暴力とレイプ。地獄からの開放を求め、自殺しようとした所をプレッピーに助けられた。
そんな感じで始まる2人のロマンス、一見暗い話になりそうだが、全くそんな事はなく、TM フレイザーお得意のスピード感、テンポが半端ない。それなのに、相手を好きだけど嫌い、一緒にいたいけど離れたい。理解したくないけど共感できる。そんな相反する2人の思いに強烈にキリキリさせられる歯ぎしり本。TM フレイザーの良さが満載。
そしてなによりプレッピー…たまらんよ。
明るくて面白いのに、激しくて時に冷血で、エロくてアレがデカくて、強いのに弱さも兼ね備え。そして最後は、彼の言葉にホロっと涙が落ちる。
このギャップの塊のような男。憎たらしいほどに魅力的(OMFG!)
さらに、前の部を読んでる読者は、プレッピーの行末を知ってるので、あ・ま・り・に・も刹那すぎるラスト。
Because you and I are there.
And we’ll always have the in-between.LOVE,
Samuel Clearwater
Preppy, BAD-ASS MOFO
PS-If you are receiving this I’m dead so I think it’s safe to tell you that you are by far my biggest regret. The light amongst all my dark.I’m so sorry.
これは最後にプレッピーがドレイに送った手紙の追伸の言葉なんだけど、いやぁ〜泣かされた(思わず、タブレットが手から滑り落ちて、空を眺めたWet Rush: 笑)
ところが、なんと、プレッピーの悲しい結末には裏がありそう。どうやらこの本まるまる1冊2人のロマンスの序章だったらしい。ほらやっぱりTM フレイザークリフハンガーだ。という事で、もう次を読まないとならない。
もっともっとこの本に関しては言いたい事あるけど、早く次の6部を読みたいので、続きはまた今度。
あ、ちなみにこの本Kindle Unlimitedで無料です。

0コメント