Rush Too Far: Rosemary Beach (4)

ラッシュ(Rush Finlay)がこの世でただ1人、恋してはいけない女性がいるとしたら、それはブレア(Blaire Wynn)だった。幼い頃から親代わりだった妹ナニーテ(Nannette)から父親を奪ったのはブレアと彼女の双子の姉。しかしラッシュの想像していたブレアと本当の彼女には大きな隔たりがあった。
- 胸熱度 60%
- 濡れ度 40%
- 泣き度 50%
- 総合評価 60%
Rosemary Beachシリーズのの4部となっていますが、ストーリーは1部とまったく(ほぼ)同じ。1部はブレアのPOVで書かれた本に対し、この4部はラッシュのPOVで書かれています。読者がすでに1部を読んだ前提で、書かれた本なので、ストーリーの詳細や登場人物の説明などはカット、ラッシュのブレアに対しての心の変化や葛藤、妹ナニーとの対立などに焦点を当てた、なんとも切ない思いにさせてくれる本。
不思議なのが、2部以降は、ヒーローとヒロインのPOV両方が盛り込まれたスタイルで、ストーリーが進むのに、1部は全編ブレアのPOVのみ。作者のアビー・グラインズ、1部だけラッシュのPOVが無いのは「こりゃイカン」とでも思ったのか、1部とほぼ同じページ数で、じっくりラッシュの思いを綴っています。
ストーリー自体は、すでに読んだ内容なので、先の展開が分かっている分、ちょっとマイナスですが、「おしんシンドローム(詳しくは1部レビュー参照)」にハマったWet Rushは、ラッシュがなんでそんな辛い状況にブレアを追い込んだのか、また、彼が何時ブレアに恋をして、どう彼の心が変わっていったのか興味深々だったので、丁度ラッシュのPOVが読みたいと思っていた所に、4部が発売され、かゆい所に手が届いたような心境。
また、1部のブレアのPOVでは書かれていない、ラッシュとナニーの確執やラッシュの女性を守る心理がナニーからブレアに変わっていく様子なのが、アビー・グラインズの文章により、うまく表現されています。それにしてもナニーは、ビッチだと改めて痛感。
見た目ワル&ワイルド、でも、中身はかなり繊細で、ロマンチストなラッシュ。女性はこういうギャップに弱いんですかねぇ・・・(間違いなく弱いな)。ブレアとラッシュのストーリーを読むなら、4部まで読むのをお勧めします。

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