Second Debt: Indebted (3)

ニラ・ウィバァー(Nila Weaver)は心の中で格闘していた。全ての自由を突然奪い監禁させられた上に、600年も前のウィバァー家の罪を償えと狂気を逸した注文を付けてきたジェスロ・ホーク(Jethro Hawk)。殺したい程憎いはずか、硬い氷の壁に覆われた冷血な風貌の奥にひっそり潜むジェスロの暖かさに気づいてしまったある日、彼を愛し始めている自分がいた。しかし無情にも2度目の負債を払う儀式は行われていく。
- 胸熱度 100%
- 濡れ度 80%
- 泣き度 100%
- 総合評価 95%
Indebtedシリーズ3部目でございます。
OMG! OMFG!! ガァァァァぁぁ〜〜〜。
なんじゃこりゃ〜。やっぱりペッパー・ウィンターズだぁ〜。凄すぎる!!
昨日読み終わったこの本、まだ興奮冷めやりません!! 明日も仕事だから早く寝なくちゃと思いながらも、「あと10分、この章読んだら寝る」を繰り返しほぼ毎晩午前3時過ぎ。仕事中も本が読みたさすぎて、ランチ削って読書に明け暮れ、先週はずっと寝不足だったWet Rush。とにかく読むのを辞められなかった。
ニラは気づいちゃったのね。ジェスロの本当の姿に。
ジェスロは常に冷静、冷血で人としての喜怒哀楽など無縁な男だった。しかし本当は過酷すぎる自分の人生から自分を守る唯一の方法が冷静、冷血を保つ事だった。しかしニラに出会い、彼女を監禁してから冷静、冷血を保った氷の壁に亀裂が生じ始める。その亀裂の隙間からニラは気づいてしまう。本当のジェスロは暖かい人間だということを。
そんなジェスロの本当の姿を知ってしまったニラは、彼に落ちた。惚れた。
しかも、ポロの試合中に。女は男がスポーツしてる姿とか弱いやねぇ〜(笑)得に試合中のジェスロが氷の壁を完全に取っ払った様子は私も落ちた(爆)
600年間もひたすら続くウィバァー家とホーク家の「残酷なしきたり」が現代の今でも法を無視して延々を受け継がれてる話ならこんなに興奮することもなかったのかもしれない。ウィバァー家の長女ニラを誘拐・監禁、虐待するホーク家の長男ジェスロ、被害者と加害者、支配者と服従者、話はそんな単純じゃなかった。ここに来て一番の被害者は実はジェスロだという事が分かってくる。この本でやっとこのシリーズの本質が分かってきた。「ミイラ取りは生まれた時からミイラだった」ミイラ取りがミイラになるじゃなくてね。そんな話。
って言ってもじゃぁ実際ジェスロに何があって、何故彼は心の氷の壁を作くらなければならなかったのか、具体的な理由はまだ明らかになってないのよ(それは次の4部らしい)。でもペッパー・ウィンターズのふくみを含んだ文章から想像するに、ホーク家の長男として生まれたが故を理由にサディストの父に相当の虐待を受けてきたんじゃないかなって思う。だから喜怒哀楽をすべて消し去る事がホーク家で生き残る方法だったんじゃないかと。
本当のジェスロは、ずっとニラを守ってたんだよね。父の狂気を逸した監視の下、ウィバァー家の長女への「負債回収」は遂行しなければならない。でも最小限にニラへの被害を抑え、父や弟達からのニラへの虐待を防ぎ続け彼女を守り続けてた。
そんなジェスロの真実を知ってしまったニラは、今度は彼をホーク家から守るためにも「惚れた女の弱み」2回目の負債回収儀式を受けることに。
まぁ〜これまた、超〜〜〜〜〜〜インテンスでダークでございます。いやァ泣いた泣いた。無情すぎるよ。
2回目の負債回収儀式は水責め。ニラ溺れて低体温で死にかけたからね。
また輪かけて、ジェスロの罪悪感とか後悔とか、600年のしきたりとは言え無情過ぎる「この馬鹿げたゲーム」から抜け出す事の出来ない無力さに嘆く彼の思いとか、追い打ちかけて泣かされた。
そんなジェスロもついに氷の壁をニラの前では崩し、本当はニラを愛してる心をさらけ出すんだけど、それイコール2つの憎しみ合う家系の長男と長女が恋愛感情を抱くなんて、破門行為。「ロミオとジュリエット」やんけ、と。
You’re mine, therefore, you are my affliction. So I will feel what you feel, and I will live what you live. You won’t understand what I mean. Not yet. But it’s my best sacrifice. The only thing I can offer.
You will let me inside you. And you will let me own you. You will, because we don’t have a choice. You’re inside me. DON’T YOU GET IT? You’re inside ME and it’s only fair that I’m inside YOU.
ペッパー・ウィンターズはあとがきで、もともとヒストリカルロマンスを読むのが好きで、ヒストリカルの要素があるロマンスをコンテポラリーで書きたかったと言っている。
キラキラ華やかのヒストリカルではなく、ダークロマンス作家ペッパー・ウィンターズの手にかかれば、ヒストリカルの残酷な一面、元祖BDSM、虐待とか拷問とかを上手く用いて、トラディショナルで、しきたりとか重んじる英国を舞台にコンテポラリーでもゴシック感漂う、実際にありそで無さそうな話を残忍ならがも純愛に仕上げて、もうねぇ、すんばらしぃぃ〜。
そして次の4部は、ジェスロの真実と2人が幸せを掴む要の本になると想像してるけど、Goodreadsで驚愕の4.45ポイントをキープしている。これまでの話から想像しただけでも絶対いいに決まってる。というこで、今週も寝不足が続きそう…。
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