シチリアの獅子に抱かれて

アメリカ人で工業デザイナーのジェイミーは、イタリア・シチリアで仕事と休暇を楽しんでいた。大学教授の祖父から、元教え子で現在検事をしている、ステファノ・レオーネに渡すようある本を頼まれた。なんとか検事に連絡を取ろうとするが、なかなかレオーネ検事に会う事が出来ず苛立ちを思えていた頃、やっとの事で検事に面会する事が出来たジェイミーだった。
著:リサ・マリー・ライス (訳:上中 京)
- 胸熱度 30%
- 濡れ度 80%
- 泣き度 10%
- 総合評価 30%
真夜中シリーズでおなじみのリサ・マリー・ライス。この本は結構薄い中編本。
真夜中シリーズ同様、惹かれあったヒーローとヒロインのエロに対する切羽詰まった感、この本でも出会ったその時からもうヤリたくてしょうがない2人。この読者を叩き込むような執着感を書くリサ・マリー・ライス、やっぱりWet Rush好きです。
ただねぇ…。
あくまでも私の感想だが、状況説明が長くてクドイ。
どんなにシチリアが素敵で、2人の初デートの場所、その後訪れた ホテルの豪華さなど、十分理解出来るのだが、それを延々と説明してるのよ。まぁ説明が長いから「すご〜く素敵な所なのね」というのは理解できるが、クドすぎて斜め読みしてしまった。今ちょうど、ティファニー・ライスを読んでいて、読者の想像を大いにくすぐる適度な説明・解説を書かせたらピカイチのティファニーとついつい比べてしまった。
ヒーローのレオーネ検事、イタリアンマフィアを撲滅する事へ力を注いでいた。しかしその代償はマフィアから常に命を狙われる事になる。イタリア軍精鋭部隊の警護下置かれているレオーネにほぼ自由はなく、そのため見ず知らずのアメリカ人女性からの面会依頼に、ジェイミーはマフィアが送り込んだ刺客だと勘違いしてしまうほど。
しかしジェイミーを一目みたレオーネは、欲望を抑える事が出来なくなった。3年もの長きに渡りマフィア撲滅に全てを注ぎ、自由を犠牲してきた(もちろん性も)。それがジェイミーに出会った事でいっきに爆発する。
そんな感じでエロエロに盛り上がるのだが、ストーリーの後半は思わずWTFとつぶやく程のあっけなさ。
レオーネのアキレス腱=ジェイミーという事で彼女を利用してレオーネを殺害しようと計画するマフィア。レオーネがジェミーを助け、ついでにマフィアも撲滅して2人はハーッピエンド。そのお決まりのストーリー建ては結構なのだが、なにせバランスが悪い。ストーリー自体を中編で終わらせる必要があったためか、ツッコミ満載の結末です。
後100ページ話を伸ばしても前半の2人のロマンスのように、後半もじっくり書き上げて欲しかった。
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