眠り姫、官能の旅立ち (1)

童話「眠り姫」のその後を描いたストーリー。100年の眠りから王子様によって目覚めた眠り姫。しかし王子様は眠り姫を自分の性奴隷にすべく、彼女を全裸にし城に連れて帰る。王子様は「今後いかなる時も眠り姫は裸で過ごし、常に自分に服従しなければならない」といって。
著:アン・ライス(訳: 柿沼 瑛子)
- 胸熱度 10%
- 濡れ度 100%
- 泣き度 10%
- 総合評価 40%
洋書で1983年に出版された、エロチカでも元祖と言うべきストーリー。Goodresdでも常に愛読されているこのシリーズ、近頃出版されるエロチカストーリーにもよく登場する、エロチカ作家にとってバイブルのような本。昨年神父との禁断のBDSMロマンスでリタ賞を受賞したティファニー・ライス作のThe Original Sinnersでも主人公のヒロインは子供の頃この本を読んでBDSMに興味を持った設定になってるほど。
そしてこの本、友人でその知識の多さには尊敬さえするKさんからお借り物(Very Thanks)。
最初はこの本を手に取った時、あまりにも可愛らしい表紙のイラストと、カタカナでのアン・ライスに一瞬ピンとこなかったが、よくよく見てみたら…「おぉぉ〜Anne Riceじゃ〜ん!」と。Wet Rushはいつか読みたいと思っていた本。だって洋書の表紙は右よ。全然違うじゃん。日本の表紙では絶対エロチカだと分からないよね。
で内容は…
深すぎてWet Rushの理解を超えてる〜〜〜(爆 ← マジ笑うしかない)。
微妙にこれロマンスじゃないじゃん。ただのエロチカって気もしなくもないが。

私が知ってる”あの”「眠り姫」は、王子様のキスで目覚めてHappy foreverのあれね。だからこの本も王子様と眠り姫の恋話って思うじゃん、でも違う違う。
眠り姫をキスで目覚めさせた王子様は、そのまま彼女を全裸にして挨拶変わりに彼女の処女を頂戴し、全裸のまま城に連れて帰る。道中通過する村の住民にも彼女の全裸を披露させ、宿場でさっそくスパンキングショーを展開。
城に着いたら、献上品として集められた各地の王子や王女が全裸でワンサカ。性奴隷の移動は常に四つん這い。イク寸前の淵を常にキープさせられ、ひたすらスパンキング。寝ても冷めてもスパンキング。24時間365日お尻を赤くし、ミミズ腫れを状態をキープ。いついかなる時も完全な服従を求められる。
もちろんエロエロなのは確かなのだが、BDSMの度を超えた「虐待」のオンパレード。
眠り姫も最初は王子様の事を思い、彼に身を差し出して仕えたいと思いつつも、半ば強制的に性に目覚めさせられて、王子様以外に城の貴婦人や同じ性奴隷の王子にも恋したりと、男女問わずのオープンセックスの海にどぼ〜んとダイビング。本のタイトルまさしく、「眠り姫、官能の旅立ち」です。
って、一瞬、「フランス書院」かよ。とツッコミ所盛り沢山な話だが、深いなと思ったのが、絶対に逃げ出せない性奴隷という状況からの果てしない屈辱、激痛と欲望の混在、自我の矯正と意識の開放、そこに自分を見出す「無の境地」みたいなものが、丁寧に語られてるのよ。
Wet Rushの「無の境地」なんて爆睡してる時しかないので、深すぎてよく分からんが、善修行とかもこれに近いのもがあるのかね。
眠り姫、あれほど王子様にご奉仕・服従しならが、最後は彼を裏切る。この落とし所はどうなるか気になるので、シリーズ全部読むよ。
ロマンスとして読むと拍子抜け、あまりのBDSMに胸焼け、ツッコミ所満載だけど、性奴隷としての深い心理と、中身浅いようで、実は深いなぜか不思議な本でした。
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