The King: The Original Sinners (6)

キングスレー(Kingsley Edge)は親友で作家のノーラ(Nora)の編集者ザック(Zachary)と彼の妻グレース(Grace)が子供を授かったのを受けてロンドンを訪れていた。ザックとグレースの自宅で子供に会いに来た理由をグレースに話をするキングスレー。それは20年前にさかのぼるキングスレーの元恋人ソルン(Søren)との再会から始まっていた。
- 胸熱度 30%
- 濡れ度 80%
- 泣き度 10%
- 総合評価 50%
The Original Sinnersシリーズ 6部目。このシリーズで2人目のヒーロー、キングスレーの目線で書かれた本。この本を読む前から彼とソルンの間にあった過去はすでに3部のThe Princeで明らかになっているので、これはきっと胸熱間違いなし‼︎と期待度アップで読み始めたら…ちょっと期待と違ったww。
もちろん、キングスレーが生涯ソルンを愛してる事には変わりないので、昔からずっと報われない思いを抱えているキングスレーはそれだけで胸熱。でもソルンと幸せになりたいと空気読まずに突き進むっていうより、最初からキングスレーはこのシリーズでの自分の立ち位置を十分理解してる感じ。というのも。
さかのぼる事20年前キングスレーが29歳の時11年ぶりに突然自分の前に姿を現したソルンは聖職者になっていた。最近赴任した教会で出逢った少女にソルンは恋をしたが、彼女が窃盗事件で捕まってしまい助けて欲しいと頼まれる。
ソルンとの再会に喜ぶキングスレー、と同時に過去の濃密な記憶が蘇って、11年という長い時間が過ぎても変わらずソルンを愛してること、彼のためならなんでもしたいと思う気持ちが目覚める。
ここでさ、ソルンが突然自分の前に現れたのは、寄りを戻すためではなく、別の女性(当時15歳のノーラ)を愛してしまい彼女を助けるために来たと分かったら…私だった発狂するかもww。それがキングスレー、ノーラに嫉妬するどころか丸ごと全部受け入れちゃうのよ。
この心理はどこから来るんだろ?
冷めた目線で考えると、もしキングスレーがノーラに嫉妬してソルンを奪い返そうと泥沼三角関係に発展したら、そもそもこのシリーズの話が成り立たない。この時点でノーラはまだソルンとキングスレーの本当の関係を知らないが、将来ソルンの元恋人がキングスレーと知った時どう思ったんだろう。とは言え、レットイヤーズでノーラはキングスレーを受け入れてるので、シェアラブというこのシリーズの根本的な概念は保証されてる。
もうそういうもんだと割り切るしかないのかな。
後数回じっくり再読すればもっと違うものが見えてくるのかな。
キングスレーは、ソルンが安心して自分の欲望を満たす場所を提供したいとSMクラブを開業したかった。ソルンのためだけでなくとも、自分と同じように異彩な性を好む人達に安全で安心な場所を提供したかった。そのためにキングスレーが奔走してやっとエイトサークルをオープンさせるというのがこの本の主な話なのだが、全体的にストーリーが淡々としていて、読み始める前に期待していた胸熱感は感じられなかったんだよね。
バイでスイッチのキングスレー、様々な方法でww、いろんな人とヤリまくってエロさも十分。それに、キングスレーは、ソルンの近くにいると、気持ちを抑えるのが大変なほどに興奮して、半分冗談ならがもソルンを誘惑しようとしたり、そんなソルンとキングスレーがカタブツ君とチャラ男みたいな関係(又はスターウォーズのR2-D2とC-3PO)で笑えたりとツボはしっかり抑えてるんだけど、なんとな〜く平然で淡々。
決してつまらないストーリーって訳じゃないけど、心臓を鷲掴みされる高揚感は無かったかな。
それでも、前回の5部でWet Rushがなんとなく推測したソルンのキングスレーへの思いは、この本でより濃厚になった感じ。はっきりと文章で明記しているわけではないが、明らかにソルンもキングスレーを愛している。ただ、キングスレーは底なしにソルンからの痛みも暴力も受け入れてしまい、ソルンの欲望のためなら自分の命さえも惜しまない。ソルンは自分のサド性がある日一線を越えて本当にキングスレーを殺してしまうのではと怖かった。だからソルンはキングスレーとの関係を絶った。恋人ではなく友情を育く道を選んだ。そして現れた、若干15歳の少女ノーラ(この時点ではまだエレノア: Eleanor)将来自分たちの関係に大きな影響を与えてくれるかもしれないと期待するソルンとキングスレー。
この本も他のシリーズ同様、本当に多彩な登場人物と様々なレイヤーが一冊に盛り込れていて、レビュー書くのが難しい。
キングスレーがSMクラブの候補地として選んだ歴史ある旧ホテルの建物を「いかなる理由でも中絶反対、ホモ・レズは邪悪なもの」とみなす頑ななキリスト教保守派と対立させて、ティファニー・ライスは宗教の影をエググ表現したり、その当時のキングスレーの弁護士が7日間のご主人様に登場するダニエル(Daniel )の癌んで死亡してしまう妻マギー(Maggie)だったり、はたまたキングスレーは秘書とし採用したサム(Sam)というレズの女性に恋心を抱いたり、初めてチラっと目にしたノーラは完全にDomだと直感したりと、とにかくいろいろ一冊に盛り込まれたレイヤーがいくつもある。
そして、盛り込繋がりでいう最大のレイヤーは、グレースが出産した男の子は金髪だった。って、ザックはユダヤ系で黒髪。このシリーズの金髪といえば、そう、グレース、ソルンの子を産んだ。4部のThe Mistressでソルンとグレースはプレイをしその時にグレースはソルンの子を妊娠。あ、補足ですけど、ソルンってノーラ以外の女性とはセックスしない。プレイ中他のSubを痛めつける事はしてもセックスはしていなかった。それが何故ソルンはグレースとセックスしたのか。しかもゴム無しで(これは今後要解明希望)。
ザックは妻がソルンとヤッたことを受け入れ(等の本人が最初にノーラと浮気してるし)、自分の子供として育てて行くと誓う。ソルンも子供のためにそれが賢明だと納得した。
なんとなく、ザックもマギーもソルン、ノーラ、キングスレーのシェアラブのメンバーなんだなぁと思ったよ。キングスレーはソルンの息子に多額の養育費をザックとマギーに渡す。過去ソルンは相続財産を全てキングスレーに授与し、その資金でSMクラブを経営したキングスレーはさらなる富を得て、今度はその富を生まれてきた子供たちに託す。このシーンはヤリチンチャラ男のキングスレーがグッと男を上げてる。
でもねぇ〜、ソルンの子供はノーラに産んで欲しかったってこのシーンを読んでWet Rush思ってしまった。一目を阻んで長い歳月こっそり愛し合ってきたソルンとノーラ、結婚して子供を産む事が女の幸せとは言わないけれど、それでもソルンが感じる全ての幸せは他の女性とのものでなく、ノーラからのものであって欲しいよね。
う〜〜ん、やっぱり私この本のコンセプト理解してないのかな。と、今回煮え切りなしのレビューでギブアップ。
日本語版The Original Sinners / 訳 清水 由貴子、藤峰 みちか (Amazon Japan)
セイントの続編の紹介、有難うございます。
こうして続編の内容を教えて頂く度にレッドの未翻訳2作品を読みたくてたまりません。
しょうがないので、セイレーンとエンジェルを読み返していますが・・・。
ソルン様、今まで許したのは三人だけと有りましたが、4人になったということなんでしょうか?
シェアラブの概念は私の理解を超えては居ますが、皮膚感覚ではどこかで判る気がする。
年明けの素晴らしいお年玉、楽しみました。
SHIRONEKOさん
いつも私のつたないレビューへのコメント本当にありがとうございます。そうです、ソルンは過去に姉のエリザベス、キングスレー、ノーラの3人としかセックスしていませんでしが、グレースが加わり4人となりました。グレースとは1回限りだったのですが、ソルンも人間しかも男「据え膳食わぬは男の恥」的にアクシデントなのか、でもソルンって賢くて洞察力もすごいし、なんか意味がある〜とか勘ぐちゃうんですよね(笑)
シェアラブ、確かにSIRONEKOさんの言う通り、頭であれこれ考えず、皮膚感覚で捉えるのがいいかもしれませんね。レビューを書くために、心理を分析して考えて、消化しようとすると、一人悶々としちゃうんです。単純にそういう世界と割り切って楽しめばいい。ちょっと目からウロコです。
理解しようがしまいが、こんなにも異質で面白いストーリー楽しまなきゃ損‼︎
ありがとうございます。
早速のご返事、有難うございます。
次を読みたいばかりに、アマゾンのお試しで、翻訳の下訳にもならない
日本語追いかけていますが、結構分かるものですね。
キングスリーの気持ち、ソルンの思い、それぞれの純愛が感じられます。
SIRONEKOさん
そう、結構英語読めてしまいますよ(笑)ティファニーの本の英語はそんなに難しくないです(ただ、ソルンは結構回りくどいカタブツ君丸出しな言い回しですが:苦笑)。70、80%でもストーリーを理解しようと割り切れば、まったく知らないよりはマシ。
分からない所は、すっ飛ばして軽い気持ちで、Just enjoy is the best erotic story!!