天使のはつ恋: The Original Sinners (2)

編集者のザカリー(Zachary)、同居人のウェスレー(Wesley)といろいろあった、ノーラ(Nora Sutherlin)だが、最終的に彼女の戻る場所は、Masterのソルン(Søren)だった。ノーラを心から愛するソルンは、彼女との関係の復活を喜んでいた。しかし、ソルンの昇格に伴う移動の話や、ノーラとの関係を世間に公表できないソルンへの取材の申込みなど様々な事件が起きていく。そんな中、ノーラの安全を一番に考えるソルンはノーラとしばらく離れる事を選択する。
著:ティファニー・ライス (訳: 藤峰 みちか)
- 胸熱度 65%
- 濡れ度 70%
- 泣き度 40%
- 総合評価 50%
The Original Sinnersシリーズ再読その2でございます。洋書のレビューはこちら。この本もロマ友Cさんが送ってくれた本。ありがとうございました。
Wet Rush、レットイヤーズの中ではこの本が一番好きだな。って、レットイヤーズって何? まずそこからね。
このThe Original Sinnersシリーズは先に出版された4部作をレットイヤーズ、その後出版された4部作をホワイトイヤーズといいます。でこの本はレットイヤーズの2部目。
レットイヤーズは、ノーラとソルンが5年ぶりによりを戻した所から話が始る。ただ2人が別れていた間に、ノーラはSubからDommeにスイッチし、強く逞しい女性にバージョンアップ、さらにウェスレー(Wesley)という年下の青年と友達以上恋人未満的な関係を築き、仕事も本屋の店員からベストセラー作家に大出世。過去のソルンのSubノーラというシンプルな関係から大きく様変わりしていた。
そしてこの本でノーラは、友人でヤリ友のグリフィン(Griffin)と自傷癖のある心病んだ青年とのBLを応援したり、決心のもとソルンとよりを戻したにも関わらず、ウェスレーを思う気持ちを完全には捨てきれず彼を恋しく思ったりと、それぞれの登場人物の心の葛藤が本当に良く書かれてる。ティファニー・ライス最高!!
ちなみに、後半4部作のホワイトイヤーズは、15歳のノーラとソルンが出会って別れるまでを綴った4部作。これはこれから読み始めるのだが、ソルンがノーラを調教し、完全に彼女を所有する話で、もうきっと鼻血モンだなww(今から期待アゲアゲ)。
とその前に、このレットイヤーズとホワイトイヤーズの間に、ノーラがDommeにスイッチした経緯やプレイ中のドラマを綴った短編小説が無料から有料まで、わんさか存在する。うん、それもこの際一気に片付けるよ。
本当に、まったくもって残念な事だが、どうやらこのシリーズの訳出版はこれが打ち切りらしい。こんな素晴らしい物語が訳されないのは悲しすぎる。確かにね一対一のロマンスじゃないよ、BDSM、ホモ、レズなんでもありの、変態社会を描いたストーリーだが、本質は人が人を思う気持ちとか、友情、人情、愛なのよ。それに変態社会と対になるがキリスト教社会。言わば神聖な世界とセットになって、とどのつまりは、変態社会と神聖社会が共存してるのよ。でもそのうちどちらが悪でどちらが善なのか混在してくる。それを引き立たせるのがティファニー・ライスの書く美しい文章。一部ではライス節なんて言われたりして。
あぁ、もう訳出版されないならネタバレしちゃいますけど…
次の3部では、ノーラはウェスレーを選び彼と本気で幸せになろうとする(当然彼の童貞をいただき)、しかし幸せもつかの間ノーラは誘拐されてしまう。その原因は、ソルンと彼の元Subで現在は親友のキングスレー(Kingsley)の高校時代に端を発し。ノーラとウェスレーがイチャイチャ全開の裏でソルンとキングスレーの関係が過去を含め明るみになる。高校時代のソルンとキングスレーBDSM&BLで激しい激しい。
で、4部でノーラはやっと答えを見つけるのよ。自分の相手は今も昔もこれから将来ずっとソルンしかいないってね。ここでやっと本当のソルンのキャラがハッキリしてくる(ティファニー・ライス最後まで引っ張る。でもそれもこのストーリーの魅力)。彼は完全なる聖人君子。たまたまサドだった(このオチ付きがミソ)。ウェスレーとノーラは一緒になれなかったけど、この当たりまでストーリーが進むとそれが自然な形って、読んでて納得できる。ウェスレーは別の女性と幸せを掴み、すべが丸く収まり、めだたし、めでたし。
まぁ簡単なダイジェストですけど、その間のドラマで登場人物の思いや感情が絡み合って、入り組んでるようで、実は基本にあるのは、ソルンのノーラに対する深〜い愛と、彼の無私無欲な清い心VS天真爛漫なノーラに集まる皆だったりして。
とにかくこのシリーズは、せめてレットイヤーズの4部まで読まないと良さが分からないのよ。最後まで読んでやっとティファニー・ライスの作り上げたキャラを深く理解できるようになるのにな。
ここで訳を止めてしまうのは本当に勿体無いよね。
ちなみ、このThe Original Sinnersシリーズに全一覧はこちらです。
ティファニー・ライスの『天使のはつ恋』続編が翻訳されて発売されるのを心待ちにしていたのですが…非常に残念です。
英語力のない私には翻訳本に頼るしかなくて。
ラストはそうなるんですね…
ノーラがソルンの元へ戻ったらウェスリーはどうなるの?と思いましたが、彼も別の女性と幸せになる事を知り、ホッとしました。
キングスレーとソルンのBDSM&BLが描かれる3作目も凄く読みたい‼︎ 2人の過去における関係については、この作品でチラっと出て来てたので驚きはありませんが、その関係がバレてしまうとは‼︎
つまらない翻訳本を出すより、このシリーズをぜひ翻訳して欲しいです。
Bambiさん。はじめまして!
このシリーズ、ヒーロー&ヒロインが誰でっていうのが通常のロマ本に比べて分かりくい。特に最初の「セイレーンの涙」は、ロマンス本来のハーピーエンドでないので、つまらないと感じた読者が多かったのかな? やっと「天使のはつ恋」あたりから物語が動き始めるのに、そこまで売上が伸びなかったのかぁ…と、勝手に分析しています。白黒ハッキリしたロマンスで1冊読み切りストーリー完結。っていうのが訳出版に向いてるのかも。
それでも、ホワイトイヤーズの2部 The Saintは今年のリタ賞を受賞し、ものすごく評判が高いです。読者が頑張って盛り上げればきっと出版社の耳の届くかもしれませんね。
現在は、出版予定無しでも、将来は分からないですよ。お互い頑張って盛り上げて行きましょう♪
はじめまして、フィフティ・シェイズ三部作を入り口にしてこの世界を知った者です。
あれやこれや、恐る恐る読んでいったところで、ところでティファニー・ライスに出会いました。
なんというか、この作者は他の方たちとは違うな、ぜひ続編も!と意気込んだところで
出版予定が無いとは・・・ショックです。
続編やホワイトイヤーズの内容だけでも此方で紹介して頂けるようなので、一縷の望みを
繋いでおります。来年もよろしく!
SIRONEKOさん
はじめまして&コメントありがとうございます。
今ホワイトイヤー読書中ですよ。はまりすぎてほぼ生活がストップしてます(笑)どハマりする本に出会う事もなかなか無くてて、久しぶりにキタ〜〜〜!と興奮状態。完読次第レビュー掲載していくのでしばしお待ちを。
フィフティーのグレイは読みました?
原書の英語は、かなり残念な内容でしたが、その意味を深く読み取り訳した翻訳者の腕前で、日本語版は良い感じに出来上がってるようですね。私も日本語版読んでみようかなぁ〜という気になってます。
ではこちらこそ、来年もよろしく!(良いお年をお迎えください)。