The Red – An erotic fantasy – レビュー補足 : The Godwicks Series (1)

昨夜ティファニー・ライスの新作、The Redのレビューを書いたが、あまりダラダラ長いレビューを書くのもどうかとおもい(睡魔に襲われたっていう話もあるが:汗)結構言いたいことカットしてしまった。
一夜明けたらやっぱり「この素晴らしい本、もっと語りたい!」と思い、異例だけどレビュー補足を書くことに。
「過去イチぶっちぎりNO.1のどエロ」と思う本、もっと語らせろ!
当初は限定版で発売されたこの本、The Original Sinnersシリーズのヒロイン、ノーラ・サザリンで出版された(これがそのカバー)。
今となっては、このノーラ・サザリンの表紙は幻本だわね。
この本は、The Original Sinnersシリーズ2部目にあたる天使のはつ恋の中で、かなり触れられている。神父ソルンの謎を突き止めるべく接近していた、スーザン(Susan)という記者。彼女が愛読していたのは、このThe Red。 そして「天使のはつ恋」でメインキャラの1人、自傷癖のある少年マイケル(Michael)は、ノーラ作のThe Redを読んで、彼女に憧れた。
面白いのが、「天使のはつ恋」の中で登場するThe Redにしたためられた作者のメッセージ、
“As Always, Beloved, Your Eleanor.”
そして、この本にしたためたティファニーからのメッセージは、
To the Mistress”.
前者は、作者ノーラが、The Original Sinnersシリーズのヒーロー、ソルン(Søren)に捧げた本、そして、後者はティファニーがノーラに捧げた本。って事はこの本は、The Original Sinnersシリーズに入るのかな? もちろん、シリーズに繋がる登場人物もストーリーも何もThe Redには含まれてないけど、周り回って、この本もThe Original Sinnersシリーズだよね。
そしてこれはもっと語りたい。どエロ本のどエロな話。
謎多きヒーロー、マルコム(Malcolm)が提案したヒロイン、モナ(Mona Lisa St. James)へのプレイは、絵画に描かれている描写をモチーフにしたもの。その中の幾つかをご紹介。

1862年 クロード・モネ作: オランピア
高級娼婦がベットに裸で悠々と横たわるこの作品。マルコムはマナに、何も恐れず、恥じず、気高くいろと教え。

1864年作 ジャン=レオン・ジェローム作: 奴隷市場
性奴隷として売られるモナの体を実際に触って試してご確認プレイ。

1862年 クロード・モネ作: 草上の昼食
洋服を着た2人の男が、隣にマッパの女性がいるのに、全く何も問題ないかのように雑談してて、そんな女性も、裸が当然というように、恥ずかしがる事もなく、「なんか用?」とでも言いたげに堂々とこっちを見てる。これある意味BDSMやん。
これらの絵画はストーリーに出てきたほんの一部だけど、どれも「それが当たり前」的に自身満々だと思わない?
だから、モナも自分がどんなエロが好きで、どんな男性が良いのか、後ろめたいダークなエロも「これが自分の求めるエロ!」と潔く、そこに言い訳など全く無くて、読んでて気持ちいい(まぁこれはティファニーが書くヒロイン全般的に言える事だけど)。
確かに、マルコムとモナのただのBDSMプレイと言ってしまえばそれまでだけど、こう言う絵画作品を見ながらストーリーを読むと、ティファニーお得意の何故か品があってテンポが良い文章も重なって、普通以上に、読者の想像を最大限広げるというか、特にエロシーンは激しいのに情緒的で、本当に良かった。その世界感を丁寧に読みたいって思えるんだよね。
当初はモナの中に、アートギャラリーを守るお金の為、マルコムがカコイイからとプレイに対して打算的な思惑もあって、体を差出していたけど、時間と共に、モナの中にマルコムに対してもっと深い感情が芽生えていく、この当たりからグッとロマンス色が濃くなるから、エロシーンはもっともっとインテンスになる。マジでクラクラしたよ。
そして最後のオチ。
これ私好きだぁ〜。
マルコムの真相とパラノーマルのからくりが明らかになった上で、成り立つ「あっと驚く」結末。
「なるほど…そういう事ねぇ〜」
と皆唸ると思うよ。
ただでさえエロいロマンス書くティファニーの更に上を行くどエロのロマンス。もっとこういう作品を読みたい!!
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