Torture to Her Soul: Monster in His Eyes (2)

カリッサ(Karissan Reed)は何故ナズ(Ignazio Vitale)が自分に近づいて来たのか本当の理由を知ってしまった。また、ナズは何をして生活をしているのかも。彼に裏切られた思いに苦悩するカリッサ。また、ナズは、カリッサをを自分の人生に巻き込んではいけないと分かっていながらも、彼女を手放せない思いに葛藤していた。
- 胸熱度 95%
- 濡れ度 60%
- 泣き度 60%
- 総合評価 60%
Monster in His Eyesシリーズの2部。ナズのPOVで綴られてた、シリーズ最終部。
いやぁ~~、せつなく、激しく、エロく、滅茶苦茶面白かった!!
まだ、読み終えたばかりで、興奮冷めず、頭が整理できていないのだが・・・どっから話そ(あぁ・・・話過ぎて、ネタバレしないように)。
ナズがカリッサに近づいた理由は、復讐のためだった。20年に及ぶ長い歳月、ナズは、辛く悲しい体験に苦しみ、同じ苦しみをカリッサや彼女の家族にも味あわせたかった。しかし、彼女を愛してしまったナズの、復讐計画はすべて変わっていく。
“I didn’t set out to love her. I didn’t even plan to like her. But it happened… we happened… and I’m still trying to figure out how to deal with that.”
一方カリッサも、自分が復讐の対象だった事実に愕然とし、ナズを信じる事が出来なくなっていた。そして、ナズが、イタリアンマフィアの殺し屋だという事を知ったカリッサ。どう考えても、カリッサはナズと別れる方が賢明と誰しも思う中、心の何処かで、感じるナズへの思い、結局、薄皮一枚、カリッサはナズの元を去ろうとはしなかった。
事実が分かった直後は、カリッサはナズを信用出来ず距離を置こうとする、ナズはカリッサの信用を取り戻すために、温かくそっと見守る。何故カリッサはナズの元を去らなかったのか、カリッサにとって、ナズが、「何をしていたか」はあまり問題ではなく、「何をしてくれたのか」がとても重要で、人を殺そうが、復讐を陰謀していようが、ナズはカリッサを心から愛し、思い、守っている事実が、彼女の心を動かさなかったんだと思える。
“You have no reason to be afraid. I’m not going to hurt you… nobody is.”
She stares at me for a moment before reaching up, covering my hand with her own.
“How can you be sure?”
“Because I won’t let them,” I say.
“It’s as simple as that.”
このストーリーは、2人の純粋な恋愛とは対照的に、復讐や、陰謀、裏社会といったドロドロした世界が繰り広げられる。そんなドロドロ社会からの攻撃を跳ねのける2人は、とても純粋で、素直で、ある意味清さも感じるほど。そこに焦点を当てているので、他のロマ本にあるように、相手への思いをごまかしたり、相手より優位に立とうとする、駆け引きなどなく、本当にシンプル。周りがドロドロしているので、余計に2人の純粋さも引き立つ。
そして、お決まり、2人のエロも素晴らしく激しく、シンプルなキスシーンでさえ、強烈。
また、ナズは、カリッサを愛する事で、そもそもの復讐の意味や、殺し屋としての自分の立場などいろいろ悩み、成長していく。復讐を20年も模索していたということは、20年間、過去の辛い記憶は、悲しみではなく、怒りだったということ。本の中では、
「復讐(怒り)を悲しみで包み込み、悲しみを抱えながら日々の生活を送れるよになって初めて、人は前を向く事が出来る。」 といっている。
20年前の辛い記憶を消化できていなかったナズは、復讐を計画したり、殺し屋として他の人を殺め、彼の中の「怒り」に立ち向かったいたのかと。カリッサの存在が、彼の「怒り」を「悲しみ」に変化させ、やっとナズは、過去を消化できるようになります。
ひさびさ、Wet Rush ヒット本でした!!!
最後に、結構重く、暗いストーリーの中にも、フッと笑いを入れる、作者JM ドロワー。そんなバランス感覚も最高!
(私が爆笑したカリッサの一言)
“The whole watching me from afar thing is kind of creepy, you know. I get that you don’t trust me, but stalking is only cool when Edward Cullen does it.”
(ずっと遠くから見てるのって、ちょっとキモイ。私の事信用していないって分かるけど、ストーカーで許されるのはエドワード・カレンだけだだから)

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